放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

ブラッグ・クレーマン則

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
11月も半ばに入り日に日に寒くなって来ています。月日の経つのは早いもので今年も残すところ1か月半となりました。

来年度の本試験の受験を考えている方は、少しでも早い時期から勉強に取り掛かることが大切です。「まだ10か月あるから」ではなく「もう10か月しかないんだ」という気持ちで取り組んで下さい。
第一種放射線取扱主任者試験は範囲も広く覚えなくてはならないことがたくさんあります。過去問題を1年分解いて復習するだけでもかなりの時間を要します。今の時期からコツコツと少しずつ勉強を始めていきましょう。

さて、今日は今年度(平成29年度)の物理の問12でも出題された飛程に関する記事を掲載したいと思います。

α線β線の飛程には重要公式がありますので是非暗記しておいて下さい。
単位の違いに注意して暗記して下さい。

α線の空気中での飛程[cm]
 
 α線のエネルギーは4-8MeV程度なので、空気中での飛程は数cmとなります。
 例えば、α線のエネルギーが5MeVのとき、飛程は3.6cm
     α線のエネルギーが6.3MeVのとき、飛程は5cm

β線のアルミニウム中での最大飛程[g/cm2]
 
 

今年度(平成29年度)の物理の問12を解くには、これらの公式に加えてブラッグ・クレーマン則を知っておく必要があります。ブラッグ・クレーマン則に関しては第7版放射線概論ではP.102の問14に掲載されています。

○ブラッグ・クレーマン
ある物質についてα線の飛程が与えらえているとき、他の物質に対する飛程を計算するため用いる公式で、物質M(原子量A、密度ρ)中の飛程Rと物質M0(原子量A0、密度ρ0)中の飛程R0の比は近似的に次の式で与えられます。

 イメージ 1

ブラッグ・クレーマン則に関しては以下のような問題が過去に出題されています。

平成18年度物理問16:α線の水素、空気、水、銅、金中での飛程の比較の問題
平成20度年物理問16:α線の空気中の飛程から水中の飛程を求める問題
平成22年度物理問15:α線のアルミニウム中と鉄中での飛程の比較の問題
平成23年度物理問11:α線のシリコン中と金中での飛程の比較の問題

今年度(平成29年度)の物理問12がやっかいな問題であるのは、空気中の飛程からアルミニウム、銅、金中での飛程を求めなくてはならない問題だからです。空気はおおまかには窒素と酸素の混合物ですので原子量ではなく実効分子量を使用します。化合物の実効分子量の計算方法は第7版放射線概論ではP.102の問14に掲載してありますので、平成29年度物理問12を是非自分で計算して解いてみて下さい。