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壊変時の光子数に関する問題

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は物理の試験で出題される壊変時の光子の数を求める計算問題についての記事を紹介したいと思います。
例題として、第7版放射線概論の第4章末の演習問題問6(P.57)を解いてみましょう。

問6 7Beは図のような壊変する. 37kBqの7Beから毎秒放出されるγ線光子の数は次のどの値か. なお, この壊変では内部転換はない.
イメージ 1
 1  3.7×103   2  3.7×104   3  3.7×105   4  3.7×106   5  3.7×107

この問題では壊変図からも分かるように7Beの90%がLiの基底状態に、残りの10%がLiの励起状態に壊変します。
光子(γ線)を放出するのは励起状態にあるLiです。
37kBqの7Beとは1秒間に7Beが37k回(37×103回)崩壊することですから、そのうちの10%が励起状態のLiに壊変します。
すなわち、励起状態のLiは
 
 イメージ 2

個生成することになります。
1個の励起状態のLiが基底状態のLiに遷移するときに1個のγ線を放出しますので、37kBqの7Beから毎秒放出されるγ線光子の数は3.7×103個となります。
正答は1ですね。

類似の過去問題としては平成21年度物理問10や平成22年度物化生問1Ⅲ、平成24年度物化生問2Ⅱがあります。
これらの過去問題は内部転換係数に絡めていますので、上述した例題よりは少し難しくなっているかもしれませんが、ゆっくり考えれば十分解ける問題ですし、また実際の過去問題でも出題されている問題ですので自分で必ず解けるようにして下さい。
 
ただ、実際の試験では計算機が使用できませんので、平成22年度物化生問1Ⅲ、平成24年度物化生問2Ⅱは計算量が多くなるため、時間を考えながら解くのか解かないのかを判断することも重要です。
実際の試験では時間が余ったら解くという考え方が賢明かもしれません。
 
過去問題を解きながら、どのような問題が計算量が多く時間がかかりそうであるかということを自分なりに把握しておくことも大切です。