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チェレンコフ光

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は物理の試験で出題されるチェレンコフ放射(チェレンコフ光)に関する記事を紹介したいと思います。
 
チェレンコフ光ウィキペディアで調べてみますと以下のように記載されています。
チェレンコフ放射とは、荷電粒子が物質中を運動する時、荷電粒子の速度がその物質中の光速度よりも速い場合に光が出る現象。チェレンコフ効果ともいう。このとき出る光をチェレンコフ光、またはチェレンコフ放射光という」
チェレンコフ放射は、荷電粒子(たいていは電子)が(絶縁された)誘電体を光よりも速い速度で通過するときに放射される」

チェレンコフ放射はチェレンコフさんが発見されたのでチェレンコフ放射と名付けられました。チェレンコフさんと発生原理を解明された2人の方、合わせて3名の方がチェレンコフ放射によりノーベル物理学賞を受賞しています。

真空中での光の速度cと物質中での光の速度c'の比が屈折率nであるとすると
 
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よって、物質中での光の速度c'は真空中での光の速度cと屈折率nを用いて
 
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と表すことができます。 
チェレンコフ光は、物質中の荷電粒子の速度vが光の速度(c/n)を超えると発生します。
 
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チェレンコフ光は光子です。
水中ではn>1となるためチェレンコフ光が起こりますが空気中では起こりません
。荷電粒子が進行する方向に対してθ方向にチェレンコフ光は観測できます。
 
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第7版放射線概論では、7章の後半にチェレンコフ光について記載されています。
また、7章の章末の演習問題問8(P.99)及び8章の章末の演習問題問15(P.119)にチェレンコフ光についての問題があります。8章の章末の演習問題問15(P.119)では、電子が水中を進行するときのチェレンコフ光が観測される最小エネルギー0.26MeVの計算式が載っています。

電子が水中を進行するとき、チェレンコフ光が観測されるためには電子のエネルギーEがE>0.26MeVであることが必要です。この0.26MeVという数値は覚えておいた方が良いでしょう。平成24年度物理問14及び平成28年度物理問15では、この0.26MeVを求める問題が出題されています。覚えておいた方は計算で求めるまでもなく、すぐに解答できたかと思います。

また、チェレンコフ光が観測される方向であるθを表わす式も覚えておきましょう。
平成19年度物理問14で出題されています。
 
上図のv, θ, c/n の関係から以下の式により求まります。
 
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これより
 
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平成18年度物理問14
平成19年度物理問14
平成24年度物理問13,14
平成28年度物理問15
平成29年度化学問14