放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

D-D反応、D-T反応

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
梅雨入りしたはずなのに天気が良い日が続いています。

今のところ、まだ湿度も高くなく過ごしやすいかと思いますので試験勉強も頑張れるかと思います。残り2か月余りをしっかりと頑張って下さい。
 
先日、6月8日の記事(結合エネルギーの計算問題)で少し書きましたD-D反応、D-T反応に関する記事を今日は紹介したいと思います。
D-D反応やD-T反応は物理や物化生の試験で時々出題されています。是非核反応式は自分で書けるようにしておきましょう。
第7版放射線概論ではP.154に記載されています。

D-D反応

 イメージ 1

 イメージ 2

D-T反応


 イメージ 5
 
D-T反応で放出される中性子の平均エネルギーは約14MeVと非常に高い値となります。
平成21年度物理問23と平成27年度物理問23で241Am-9Beで放出される中性子の平均エネルギー(約4~5MeV)とD-T反応で放出される中性子の平均エネルギー(約14MeV)を大きさを比較した問題が出題されています。
  イメージ 4
 
241Amから放出されるα線9Beの核反応により中性子を生成する反応です。γ線も発生するためγ線の遮へいが必要であることも一緒に覚えておきましょう。
  イメージ 3
 原子力百科事典ATOMICA参照
                                 
D-D反応やD-T反応の使用例のひとつとして水爆があります。
水爆は、水素の核、主には重水素(D:デューテリウム)と三重水素(T:トリチウム)が融合する時に生成するエネルギーを利用した爆弾ですが、この核融合反応を起こさせるためには高温高圧の環境が必要となります。この高温高圧環境をつくり出すためにウランやプルトニウムを利用した原子爆弾が用いられています。
 
水爆はD-D反応やD-T反応により中性子線、α線β線γ線といった放射線を放出しますが、これらは核融合反応の爆発時のみです。
一方、原爆は核分裂による反応であるため多数の放射性核種を生成し、長期にわたって放射線汚染が引き起こされる可能性があります。
しかし、上述したように、水爆も核融合反応を起こさせるために原爆を使用していることにより、多くの放射性物質となる核分裂片を生成してしまうのです。
アメリカが1954年に行った水爆実験により第五福竜丸が浴びた放射線死の灰)はこれによるものです。
 
自然界における核融合反応の例としては太陽があります。太陽では水素同士の核融合反応でヘリウムが形成されています。

第一種放射線取扱主任者試験で出題されたD-D反応やD-T反応に関する問題は以下のとおりです。
D-D反応
 平成27年度物理問12
 平成27年度物化生問2Ⅱ
 平成21年度物理問23
 平成22年度物理問12
 平成26年度物理問8
 平成27年度物理問23
 平成27年度物化生問2Ⅱ
 平成29年度物理問2,10(計算問題)
 平成30年度物理問20