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252Cf(カリフォルニウム)について 補足

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

先日、252Cfの自発核分裂の部分半減期や放出される中性子に関する記事を紹介しました。ここで、252Cfについておさらいしてみましょう。252Cfに関しては以下のことは必ず暗記しておかなくてはなりません。

 

252Cf(カリフォルニウム

半減期2.65年
・α壊変 96.9% 自発核分裂(SF) 3.1% 

・1個の自発核分裂によりおよそ3.8個の中性子を放出
・水分計などに利用

 

252Cfに関しては以下のような問題が出題されます。重要かつ基本的な問題ですので、問題文全てを暗記するくらいの気持ちで何度も読み返して下さい。


問 

水分計に利用される密封線源は、中性子線を放出する(A)が用いられている。(A)から放出される速中性子は、主に原子核と(B)を繰り返し、減速して(C)eV程度のエネルギーを持つ熱中性子となる。散乱型水分計では、BF3計測管あるいは、(D)を用いて熱中性子を測定することにより水素含量、水分量が求められる。 


 

水分計に関して、放射線取扱主任者試験で出題される核種は(A) 252Cfです。

中性子水分計は、速中性子と水素原子核の(B) 弾性散乱を利用しています。

中性子のエネルギーはおおよそ0.1 eVよりも小さく、平均エネルギーは(C) 0.025eV程度と覚えておきましょう。高速中性子はおおよそ0.1MeVよりも大きいエネルギーを持つくらいでしょうか。

水分計の検出器としては熱中性子を検出できるBF3比例計数管や(D) 3He比例計数管になります。

 

中性子水分計の原理は、高速中性子が水素原子と衝突すると減速されて熱中性子になる現象を利用しています。線源から放出された高速中性子は物質中の水分の含有量により熱中性子に変わり、この熱中性子をBF3比例計数管や3He比例計数管で測定することにより物質中の水分や水素量を測定しています。

 

2019年度の第二種試験では水分計について線源と検出器の組合せに関する問題が出題されました。

2019年度第二種化学問9

放射性同位元素装備機器に用いられる密封線源及び検出器に関する次の組合せのうち、正しいものはどれか。
A 厚さ計 85Kr プラスチックシンチレーション検出器
B 密度計 90Sr 3He比例計数管
C 水分計 252Cf GM計数管
D 石油硫黄計 241Am 電離箱

 

放射性同位元素を装備する機器に関しては、水分計以外にも出題頻度の高い放射性同位元素装備機器については必ず覚えておきましょう。

毎年のように出題されている問題でしっかりと1点ずつ得点していくことで合格が近づきます。

2018年度第一種化学問26

放射性核種とその利用の関係として正しいものの組合せは次のうちどれか。
A 241Am 煙感知器 
B 238U 水分計 
C 57Co メスバウアー分光 
D 63Ni ガスクロマトグラフ 
E 90Sr Rb-Sr年代測定法

 

2017年度第一種化学問28

放射性同位元素装備機器に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 厚さ計は、β-線の散乱や吸収を利用している。
B 中性子水分計は、速中性子と水素原子核の弾性衝突を利用している。
C 硫黄計は、α線で硫黄原子を励起することを利用している。
D 密度計は、α線の質量減弱係数が物質によらず一定であることを利用し

   ている。

 

2016年度第一種化学問28

次の放射線利用機器、利用している核種及び放射線の組合せのうち、正しいものはどれか。
1 厚さ計-90Sr-X線 

2 イオウ計-11C-β+線 

3 ECDガスクロマトグラフ63Ni-β-線 

4 レベル計-35S-γ線 

5 水分計-252Cf-α線

 

2014年度第一種化学問29

次の放射性同位元素が用いられている分析・計測装置で、利用される放射線が正しいものはどれか。
1 60Co-レベル計-X線 

2 63Ni-ガスクロマトグラフγ線 

3 147Pm-厚さ計-β線 

4 241Am-蛍光X線分析装置-中性子線 

5 252Cf-水分計-α線

 

2013年度第一種化学問29

次の放射性同位元素と用いられる分析・計測装置で、利用される放射線が正しいものはどれか。
1 55Fe-硫黄計-β線 

2 63Ni-ECDガスクロマトグラフX線 

3 90Sr-透過型厚さ計-γ線 

4 147Pm-散乱型厚さ計-α線 

5 252Cf-水分計-中性子線 

 

2016年度第二種管理技術Ⅱ問19

放射性同位元素を装備した機器と放射線源の組合せとして正しいものはどれか。
A 水分計-241Am-Be 

B 厚さ計-85Kr 

C 静電除去装置-210Po 

D ガスクロマトグラフ63Ni

 

2015年度第二種管理技術Ⅱ問20

放射性同位元素を装備した機器と放射線源及び検出器に関する次の組合せのうち、正しいものはどれか。
A 透過型厚さ計-147Pm-電離箱 

B 密度計-60Co-シンチレーション検出器 

C 水分計-204Tl-3He比例計数管 

D 煙感知器-241Am-GM計数管

 

2015年度第二種管理技術Ⅱ問18

放射性同位元素を装備した機器で利用されている現象について、次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

A ECDガスクロマトグラフでは軌道電子捕獲壊変核種から放出される

      オージェ電子の、分析ガスによる吸収が利用されている。

B 中性子水分計では測定試料中の水素による速中性子の散乱が利用され

      ている。
C 静電気除去装置ではα線あるいはβ線による電離で生じたイオンにより

      静電気を中和することが利用されている。
D 厚さ計では測定試料による放射線の吸収や散乱が利用されている

 

本ブログでの以下の記事も是非参考にして下さい。

  放射性同位元素を利用した分析・計測装置①

  放射性同位元素を利用した分析・計測装置に関する問題