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2022年度の試験問題から③

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

今日も2022年度の試験問題を見てみましょう。

第一種試験生物の問題からです。

問13は倍加線量を求める計算問題ですが、この倍加線量を求める計算問題は2020年度から3年連続で出題されています。各々の問題を見てみましょう。

2022年度第一種試験生物問13

2021年度第一種試験生物問26

2020年度第一種試験生物問25

倍加線量は、自然発生の突然変異率を2倍にするのに必要な線量のことをいいます。

そのため、倍加線量が大きいほど遺伝的(性)影響は起こりにくいことになります。

倍加線量に関しては、2022年度の生物問22でも出題されていますね。

 

2021年度の問題26にグラフが掲載されていますので、この問題を例に一緒に考えてみましょう。

問題のグラフ中の切片は吸収線量が0Gyの時の変異頻度なので、これが自然発生の突然変異率に該当します。このグラフはマウスの場合なので、マウスの場合の自然発生の突然変異率は1.2×10-5となります。

ヒトの自然発生の変異の頻度は問題文中にもあるように3.0×10-6です。

この値を切片として、直線の傾きはマウスの場合と同様の値(グラフから読み取って0.4×10-5と算出)を用いて、直線を式にします。

縦軸の変異頻度をy、横軸の吸収線量をxとしてy=ax+bの式に傾きと切片を代入して

 

  

 

倍加線量はこのyの値をヒトの自然発生の変異頻度3.0×10-6の2倍にするのに必要な線量xを求めることになります。

 

  

 

倍加線量xを求めると、

 

  

   

 

となります。

近年の第一種試験の生物の計算問題は、文章問題ではタンパク質中のアミノ酸の配列などに関する問題(物化生:2015年度問6、2018年度問6、生物:2019年度問32、2020年度問31、2021年度問31、2022年度問31)、択一式の問題では総壊変数(累積放射能)を求める問題(2018年度問23、2019年度問17)や本日記事にした倍加線量を求める問題多くなってきています。

 

このような問題は、過去問題を解いておかないと本番の試験では得点が難しい問題です。放射線取扱主任者試験では、生物の試験に限らず、このような問題が多々ありますので、毎日の勉強で過去問題をしっかり解いておくことが大切です。