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2019年度第二種試験問題 除染

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

今日も2019年度の第二種試験の問題から記事を掲載したいと思います。

 


2019年度第二種試験化学問8

汚染除去に用いる溶媒(除染剤)に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

A 水は無極性溶媒である。

B 中性洗剤は界面活性剤を含む。

C キレート形成剤は金属元素の放射性核種に対して用いる。

D EDTA-2ナトリウム水溶液は強アルカリ性を示す。


 

先日、2019年の第一種試験の問題から化学分離に関する記事を掲載しましたが、それに少し関連のある除染に関する問題です。

この問題は化学的な基礎知識が必要な問題ですので難しかったかもしれません。

除染に関する重要事項は必ず覚えておかなくてはなりません。

〇床等の除染

① 吸湿紙で拭き取る

② 吸湿紙に温和なものを染み込ませふき取る

 (水、中性洗剤、亜硫酸Naなどの順)

③ 除染ができない場合は減衰を待つ

 (ビニルシートでなどで被い触れないように保護)

除染に際しての注意事項は、「有機溶剤、シュウ酸など放射性気体が発生する可能性のあるものは使用しない」、「酸性にはしない」など

 

参考までに極性、無極性に関して少し記述します。

極性、無極性には電気陰性度が関係します。

異なる種類の原子が共有結合すると共有電子対は電気陰性度の大きい原子の方へ偏ります。

例えば、塩化水素(HCl)では、共有電子対は水素原子Hよりも電気陰性度の大きい塩素 原子Clの方へ偏ります。そのため、Cl は負に、H は正に帯電します。このように原子間の電気陰性度の差によって生じる電荷の偏りを極性といい、極性を持つ分子を極性分子といいます。水素原子(H 2 )のように同じ種類の原子同士が結合するときは電気陰性度に差がないため極性は生じず無極性分子となります。

電気陰性度に順位として「F>O>Cl>N」くらいは暗記しておきましょう。

参考までに、ネットには「F>O>N=Cl>C>H>金属」とあり、「本当に(F>O>N)狂(Cl)っちゃう(CH)金(金属)」と覚えるそうです。

 

第二種試験では2018年度にも除染に関する問題が出題されています。

2018年度管理技術Ⅱ問17

化学的性状が不明の汚染を除去するとき、最初に試みるべき除染剤として最も適切なものは次のうちどれか。

1 水 

2 クエン酸 

3 DMF(N,N-ジメチルホルムアミド) 

4 希硫酸 

5 熱濃硫酸

 

除染に関する問題は、第一種試験の管理測定技術の試験でも非常によく出題されています。今後は実務の試験で頻繁に出題されることになると思います。

第一種試験の除染に関する過去問題は、また次回掲載いたします。

 

放射線取扱主任者試験に合格し、実際に主任者に選任されて現場で仕事をするようになると、除染に関する知識は非常に重要になります。今後、このような実際の現場で必要となる知識に関する問題は必ず試験でも問われてきます。しっかりと勉強しておいて下さい。