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結合エネルギー

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

昨日、原子と原子核に関して簡単に記事にしましたが、その中で結合エネルギーに絡めた問題もよく出題されることを書きました。

今日は過去問題から結合エネルギーに関する問題をいくつか見てみましょう。

まず第一種試験から見てみましょう。

2016年度第一種試験物理問5

Ni、Ba、Uについて、核子当たりの平均結合エネルギーが小さい順に並んでいるものは次のうちどれか。

昨日記載した図を覚えていれば正答は簡単です。

原子番号がFeよりも大きくなると原子番号が大きくなるにつれて核子当たりの結合エネルギーは減少していきますので平均結合エネルギーは、U<Ba<Niですね。

 

2014年度第一種試験物理問5

56Fe原子核核子1個当たりの結合エネルギーは、水素原子における電子の結合エネルギーの何倍か。次のうち、最も近い値はどれか。 

 Feの核子当たりの結合エネルギーが8.8MeV、水素の結合エネルギーが13.6eVであることを覚えておけば正答は導けます。逆に言えば、これらの値を知らなければ解くことができないことになります。Feの核子当たりの結合エネルギーと水素の結合エネルギーの値は覚えておきたい数値です。

 

2013年度第一種試験物理問5

質量数20以上の安定な原子核核子1個当たりの結合エネルギー[MeV]は、次のどの範囲にあるか。 

この問題も昨日記載した図を覚えていれば正答は分かります。 

 

2008年度第一種試験物理問6

ヘリウム原子核4Heの結合エネルギー(MeV)として最も近い値は次のうちどれか。

昨日記載した図から核子当たりの結合エネルギーは原子番号が26のFe付近で最大になることは記述しましたが、核子当たりの結合エネルギーは4Heでも極大値をもつことも覚えておきたいことです。その値はおよそ7MeVほどです。(昨日の図の中にさらに小さい図があります)核子当たりの結合エネルギーが7MeVであることが分かれば核子数を乗ずれば4Heの結合エネルギーは分かります。

既に皆さんも知っているように、4Heの原子核はα粒子です。α粒子は核子当たりの結合エネルギーが高く特別なんですね。

 

第二種試験も見てみましょう。

2017年度第二種試験管理技術Ⅱ問2

40Caの一核子当たりの平均結合エネルギー[MeV]として最も近い値は次のうちどれか。ただし、40Ca、陽子、中性子および電子の質量を、それぞれ39.96259u、1.00728u、1.00867u、および0.00055uとする。また、1u=932MeVとする。 

この問題は質量欠損から平均結合エネルギーを求める問題です。計算量がありますが、質量欠損の考え方を理解していれば難しくはありません。

ほぼ類似の問題を本ブログの演習問題でも記事にしています。解き方が分からない人は以下の記事をご覧下さい。

 結合エネルギーの計算問題②

 

質量欠損に絡めた問題は第一種試験では物化生の試験で幾度か出題されています。

今後も物理の試験で出題されることと思いますので、過去問題を解いて必ず自分で計算できるようにしておきましょう。

 2008年度物化生問1Ⅰ

 2011年度物化生問2Ⅰ

 2015年度物化生問2Ⅰ

 2016年度物化生問1Ⅰ