ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は2019年度の第二種試験の問題とそれに類似する過去問題を掲載します。
自分で解いてみて下さい。
2019年度第二種試験物理問11Ⅱ
下図は64Cuの壊変図式である。64Cuは2種類のβ壊変(β+およびβ-)を起こして、(F)および(G)に変化する。また、電子捕獲(EC)も起こる。これらの壊変割合(分岐比)から(F)の方が多く生成することがわかる。
この図から、64Cuの壊変当たりのγ線の放出割合は(H)%であることがわかるが、それ以外にβ+壊変に伴う消滅放射線の放出割合が壊変当たり(I)%である。ただし、内部転換は起きないものとし、陽電子による消滅放射線は3本生成することはないものとする。特性X線あるいはオージェ電子が放出される原因となる内殻電子軌道の空孔を生成する電子捕獲(EC)の壊変当たりの割合は(J)%である。
64Cuは放射線取扱主任者試験においてよく出題されている核種ですので、重要事項は暗記しましょう。
64Cu:β-壊変、EC壊変,、β+壊変すべて
半減期12.7時間
64Cuの壊変図に関しては過去の第一種試験でも出題されています。
第一種試験
2007年化学問16
64Cuの壊変に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A γ線スペクトルに511keVのピークがみられる。
B 64Znを生成する部分半減期は64Niを生成する部分半減期より長い。
C EC壊変に伴い、Cuの特性X線が放出される。
D 発生する陽電子の運動エネルギーは単一である。
E 1346keVのγ線はEC壊変に続いて発生する。
2011年化学問20
64Cuの壊変に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A γ線スペクトルに511keVのピークがみられる。
B 64Znを生成する部分半減期は64Niを生成する部分半減期より長い。
C EC壊変に伴い、Cuの特性X線が放出される。
D β-壊変はγ線放出を伴わない。
2015年化学問8
64Cuの壊変図式を示す。次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A β-壊変に伴って1346keVのγ線が放出される。
B EC壊変に伴ってNiの特性X線が放出される。
C 単位時間に生成する原子核の数は、64Niに比べて64Znのほうが少ない。
D γ線スペクトルに511keVのピークは現れない。
β-壊変,、EC壊変,、β+壊変をする核種として64Cu以外にも74Asも出題されています。
2016年度第一種試験化学問4
74Asの壊変図式を図に示す。次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 74Seの生成速度は74Geの生成速度よりも大きい
2 β-壊変に伴ってGeの特性X線が放出される。
3 β+壊変に伴って1204MeVのγ線が放出される。
4 EC壊変に伴って635keVのγ線放出される。
β-壊変、EC壊変,、β+壊変をする核種ではありませんが、2012年度には壊変図に関する以下のような問題も出題されいます。
2012年度化学問19
図は質量数51の壊変図を示している。次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 51Tiと51Crは320keVのγ線を放出する。B 51Crの壊変によりVの特性X線が放出される。
C 51Tiの壊変は511keVの光子の放出を伴う。
D 51Crの壊変は609keVのγ線の放出を伴う。
EC壊変、β+壊変する核種は暗記しておきましょう。
11C 13N 15O 18F 22Na 26Al 30P 57Ni 64Cu 65Zn 68Ga