ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
昨日、ウランに関する計算問題を掲載しました。
235Uと238Uでは半減期は異なりますので、天然に存在するウランの中のそれらの同位体存在度は時間が経過すると変わることが分かりました。
235Uの半減期が238Uの半減期に比べて短いため、天然ウラン中の235Uの割合は時間とともに減少してしまいます。過去の放射線取扱主任者試験でも235Uの同位体存在度に関する問題が何度か出題されていますので覚えておきましょう。
235Uの同位体存在度に関する過去問題
2019年度第一種試験化学問17
天然放射性核種に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 7Beは宇宙線による核破砕反応で生成する。
B 14Cは宇宙線の陽子と14Nの核反応により生成する。
C 40Kの壊変によって大気中の40Arが増加した。
D 235Uの同位体存在度は、10億年前に比べて現在の方が小さい。
2017年度第一種試験化学問13
天然放射性核種に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 トリチウムTは、海水中ではT2Oの形で存在する。
2 化石燃料の使用により大気中の14C濃度が増加している。
3 地球生成時に存在した87Rbは、消滅している。
4 222Rnは、水温が上がると大気から水に移行する。
5 地球生成以来、235Uの同位体存在度は徐々に低下している。
2011年度第一種試験化学問19
次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 238Uと234Uは同じ壊変系列の核種である。B 222Rnは220Rnに比べて半減期が長い。
C 210Poのα壊変により206Pbが生成する。
D 238Uと235Uの同位体存在度は地球誕生以来一定である。
2006年度第一種試験化学問18
天然における同位体存在度の変動に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 火成岩の3He/4He比はウラン含有量が高いほど小さくなる。B 大気の14N/15N比は太陽からの宇宙線強度の増加と共に大きくなる。
C 火成岩の39Ar/40Ar比はカリウム含有量が高いほど大きくなる。
D ウラン鉱床の235U/238U比は地質年代の経過と共に減少する。
2005年度第一種試験化学問4
天然放射性核種に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 植物に含まれる14Cは土壌中の有機物から取り込まれる。
2 ウラン鉱石中の235U/238U比は今後上昇する。
3 地球生成時に存在した87Rbは、消滅している。
4 40Kは地球創成時から存在していた。
5 宇宙線による核破砕反応32Pが大気中に発生する。