年度初めに
ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
4月に入って初めての土曜日になります。
今年度から新しく社会人になった人で土日が休みの人にとっては社会人初めての休みになります。3日間の仕事で精神的にも肉体的にも疲れたことと思います。これから長い社会人生活になりますので最初から飛ばさずゆっくりと頑張って下さい。
あいにく今年度のスタートはコロナウィルスの影響が大きく大変な事態となっていますが、この事態が一日でも早く収まることを願っています。
私の方も今年度に入って仕事がかなり忙しくなり今までのようにブログの更新ができなくなります。そのため土日にはできるだけ更新して、皆さんが今年度の放射線取扱主任者試験に合格できるように少しでもお手伝いできるように努めていきたいと考えています。
今年度に入って、新しく放射線業務に携わる仕事に就いた人や放射線を勉強するようになった人にはぜひ放射線取扱主任者試験の合格を目指していただきたく思います。
目標を掲げることで充実した毎日を過ごすことができます。また、その目標を達成した時の喜びは格別なものです。多くの人が放射線取扱主任者試験の合格を目標に頑張ってもらえたら嬉しく思います。
このブログは放射線取扱主任者試験に合格することを目標にしています。
ブログに掲載している記事、また(有料で申し訳ございませんが)提供している過去問題解答解説をしっかりと勉強してもらえれば必ず放射線取扱主任者試験に合格できると自負しています。
今年度から一緒に頑張りましょう!
年度末に…
ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は3月31日、今年度最後の日となります。
未だ全く先が見えないコロナウィルスの影響で皆さんの仕事や生活にもかなり影響が出てきていることと思います。自粛すべきときは自粛し、自分の健康、また周りの人への配慮もしっかりとわきまえた大人としての行動を心がけて下さい。
明日からは新しい年度の始まりです。
新しく社会に出る人、新しく進学される人にとっては大切な節目の日になります。
新社会人になる人は早速仕事が始まります。進学された人はもう少し春休みの期間があるかと思います。
新しい年度が皆さんにとって実りある良い年度となることを願っています。
今後の状況次第では、今年度の放射線取扱主任者試験の日程がどうなるかは定かではありませんが、今、皆さんは例年通り8月半ばに実施されることを頭に入れて勉強に励むことが大切です。
明日の4月からは試験まで4か月半になります。
これまで放射線概論などの参考書を使用してきた勉強方法を、実際の試験問題である過去問題を解くことを中心とした勉強方法にシフトしていかなくてはなりません。
勉強もスポーツと同じです。
グラウンドでどんなに毎日練習しても実戦形式の訓練をしなくては試合に勝つことはできません。実戦形式の訓練で自分の弱点を見つけ、それをひとつずつ克服していくことで本番の試合で力を発揮することができます。
放射線取扱主任者試験も同じです。
放射線概論などの参考書ばかりの勉強では、参考書に書かれている内容が実際の試験でどのようなかたちで出題されるかはなかなかイメージできません。
例えば、計算問題の公式を暗記しても素直に数値を公式に代入すれば正答を導ける問題ばかりではありません。実際の試験問題で公式を用いる問題がどのようなかたちで出題されるかを過去問題を通して勉強しておくことが大切です。
また、放射線概論では漠然としてしか分からなかった内容が過去問題を解くことで分かることもあります。パッと目の前が明るくなり理解できる瞬間が来ることがあります。特に文章問題は、問題文そのものがその分野における重要事項についてとてもよくまとまっている場合がたくさんあります。問題文そのものがその分野のまとめに用いることができ全文暗記しても良いくらいです。
これから試験までの期間はできるだけ多くの過去問題を解き、そして間違えた箇所、分からなかった箇所を参考書に戻って調べ勉強し実力を蓄えていきましょう。
自分で苦労して調べて覚えたこと、そして理解したことは簡単には忘れません。
試験勉強ではどれだけ失敗しても間違えても構いません。失敗した数だけ、間違えた数だけ、それをしっかり克服すれな成長できる割合も増していきます。
嫌々ながらだらだら勉強しても過ぎていく時間は同じです。
ならば、一生懸命努力して勉強して10月に心から喜べる日を迎えられるような時間の過ごした方が良いとは思いませんか。頑張って本当に良かったと思える日を迎えたくはありませんか。
新しい年度が皆さんにとって実りある良い年度となるかどうかは、まずは明日から放射線取扱主任者試験がある8月半ばまでの4か月半の過ごし方次第です。皆さんの意気込み次第です。
頑張って下さい!
2019年度の天然放射性核種に関する問題
ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
先日は天然放射性核種に関する演習問題を一緒に解きました。
天然放射性核種に関しては、第一種試験では化学や実務(2018年度までは管理測定技術)、第二種試験では化学(2018年度までは管理技術Ⅱ)、実務(2018年度までは管理技術Ⅰ)で毎年のように出題されている分野です。
2019年度では第一種試験、第二種試験ともに出題されています。天然放射性核種は暗記しておけば確実に得点できる分野ですのでしっかりと覚えて下さい。
2019年度に出題された天然放射性核種に関する過去問題を掲載します。自分で解いてみて下さい。
2019年度第一種試験
化学問17
天然放射性核種に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 7Beは宇宙線による核破砕反応で生成する。
B 14Cは宇宙線の陽子と14Nの核反応により生成する。
C 40Kの壊変によって大気中の40Arが増加した。
D 235Uの同位体存在度は、10億年前に比べて現在の方が小さい。
化学問16
壊変系列をもつ一次天然放射性核種とその最終壊変生成物として、正しいものの組合せは次のうちどれか。
1 238U - 207Pb2 234U - 206Pb
3 235U - 204Pb
4 232Th - 208Pb
5 237Np - 204Tl
化学問12
天然の放射性壊変系列に属する放射性同位体がある元素として、正しいものの組合せは次のうちどれか。
A Am B At C Fr D Pm E Tc
実務問3Ⅰ
非密封放射性同位元素を使用する施設には、排気設備が設置されている。実験室内の空気中の放射性同位元素が付着したダストや粒子状の物質はプレフィルタと(A)フィルタにより捕集される。(A)フィルタは、定格風量で粒径0.3μmの微粒子を99.7%以上の効率で捕集する。また、放射性ヨウ素を取り扱う施設では(B)フィルタを排気設備に設置する。
排気設備のフィルタは性能維持のために定期的に交換し、放射能測定の後、ポリエチレンシートで密封して段ボール箱に入れ廃棄物の集荷まで保管する。GM管式サーベイメータでフィルタを測定すると、フィルタに吸着した空気中の天然ラドンの子孫核種(壊変生成物)の影響でバックグラウンドよりも計数率が高くなることがあることに注意すべきである。天然に存在するラドン同位体には、ウラン系列に属し半減期が(C)の(D)と、トリウム系列に属し半減期が56秒の(E)などがある。(D)の壊変生成物には214Pb(半減期27分)と214Bi(半減期20分)が、(E)の壊変生成物には(F)(半減期10.6時間)と212Bi(半減期61分)があり、これらがフィルタに吸着していることがある。
第二種試験
化学問11
地球誕生時から現在も存在している天然放射性同位体には、放射性壊変を繰り返して、最終的には鉛の安定同位体になる壊変系列が3つある。最初の長半減期の同位体から最後の安定同位体に至るまでに放射性壊変を繰り返すが、(A)の回数は6、7、8回と系列によって異なり、最も多い8回を示すのは(B)系列である。これらの系列に属する核種から放出される放射線、いわゆる、自然放射線は公衆の外部被ばくや内部被ばくに大きく寄与している。とりわけ、寄与が大きいものに(C)とその子孫核種がある。これらの核種は、呼吸に伴い気管や気管支などの呼吸器に入り、内部被ばくをもたらしている。一方で、地球誕生時に存在した核種のほとんどが現在では消滅してしまった壊変系列にネプツニウム系列がある。消滅した理由は、この壊変系列の核種の(D)が地球年齢に比べて非常に短いためである。
上記のような壊変系列をつくらない天然放射性核種もあり、体内にも存在して内部被ばくの主な要因になっている核種として例えば、(E)がある。(E)は、89.1%の分岐比で(F)して安定同位体40Caになり、一方、10.8%の分岐比で(G)し、安定同位体40Arになり、この際、1.46MeVの(H)を放出する。
地球には高いエネルギーの宇宙線が絶えず降り注いでいる。宇宙線の一種である銀河宇宙線の最も多い成分は陽子で、次に多い成分は(I)である。これら一次宇宙線が大気成分の(J)により、あるいは二次的に生成する中性子と大気成分との核反応などにより、3H、14Cなどの誘導放射性核種が絶えず生成している。
5年間から7年間分の過去問題を解けば、出題される分野は十分網羅されていますので、過去問題をしっかりと解いておくことが大切です。
間違えた箇所、分からなかった箇所は放射線概論などの参考書に戻り、もう一度覚え直すことが重要です。覚えなくてはならない核種がたくさんありますが、語呂合わせなどを利用して確実に暗記して下さい。
どの課目でも暗記分野でしっかりと得点できれば6割達成は難しくありません。
頑張って下さい。
天然放射性核種に関する問題
ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は化学に関する問題を一緒に考えてみましょう。
問
天然の放射性核種に関する次の記述のうち、正しいものの組合せは次のうちどれか。
A ウラン系列、トリウム系列、アクチニウム系列は天然の壊変系列である。
B 壊変系列をつくらないで単純に存在するものがある。
C 宇宙放射線による核反応ででつくられるものがある。
D 地球生成時に存在したものは現在もすべて存在する。
まず、最初に天然放射性核種のおさらいです。
①壊変系列をつくる放射性核種
②壊変系列をつくらない放射性核種
③宇宙線との核反応で生成する放射性核種(天然誘導放射性核種)
①壊変系列をつくる放射性核種
トリウム系列(4n) :232Th(140億年) → 208Pb
ネプツニウム系列(4n+1) :237Np(214万年) → 205Tl
②壊変系列をつくらない放射性核種
40K 87Rb 115In 138La 144Nd 147Sm 176Lu 180W 187Re 190Pt 210mBi
カ ルビ いん らん ヌード サ ル う れ ぴ ビ
③宇宙線との核反応で生成する放射性核種(天然誘導放射性核種)
3H 7Be 10Be 14C 22Na 32Si 32P 33P 35S 36Cl
えっちな ベイブ く な し りん P S くれー
よって、ABCが正しいものの組合せになります。
線減弱係数に関する問題
ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
昨日、光子と物質の相互作用に関する内容として、線減弱係数の記事を紹介しました。今日は線減弱係数を使用した演習問題を一緒に考えてみましょう。
問
60Co密封線源を格納している肉厚5cmの鉛容器Aがある。この鉛容器Aから透過するγ線の強度を1/5に減らすためには肉厚何cmの鉛容器Bにこの線源を格納すればよいか。ただし、60Co γ線に対する鉛の質量減弱係数を6.0×10cm2・g-1、鉛の密度を11.35g・cm-3、ln5=1.61として散乱γ線の影響は考えないものとする。
γ線強度を減らす割合は1/5ですので
ここでln e=1であるので、肉厚xについて解くと、
となります。これは昨日勉強した半価層、1/10価層の導き方と同じですね。半価層のln 2、1/10価層のln 10をln 5に置き換えただけに過ぎません。
さて、問題文に60Co γ線に対する鉛の質量減弱係数は6.0×10cm2・g-1、鉛の密度は11.35g・cm-3と与えられています。質量減弱係数μmは線減弱係数μを密度ρで除したもので以下の関係があります。
60Co γ線に対する鉛の線減弱係数をμを求めてみると、
よって、線減弱係数μは、
この線減弱係数μの値を用いて鉛容器Bの肉厚xを求めてみると、ln5=1.61として、
となります。
よって、肉厚5cm(鉛容器Aの肉厚)+2.36cm(鉛容器Bの肉厚)=7.36cmの鉛容器に60Co密封線源を格納することで、鉛容器Aに格納する場合に比べて透過γ線を1/5に減少させることができることになります。
光子の減弱に関しては、本問題では光子強度を1/5に減弱させる問題でしたが、過去問題では半価層の計算や1/10価層の計算などが非常によく出題されています。必ず自分で計算できるようにしておくことが大切です。
また、これらの問題を解くためには基本的な自然対数の計算も必要になってきます。対数や指数に関しては基本的な公式を覚えておけば難しいことはありません。過去問題を解きながら取得していきましょう。
光子と物質の相互作用 線減弱係数
ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
先日から放射線取扱主任者試験では毎年必ず出題される光子と物質の相互作用についての記事を掲載しています。
放射線取扱主任者試験で押さえておきたい光子と物質の相互作用に関する内容は、光電効果、コンプトン散乱、電子対生成の他に、線減弱係数、線エネルギー転移係数、線エネルギー吸収係数、また半価層や1/10価層などがあります。
今日は光子が光電効果やコンプトン散乱、電子対生成などの相互作用を起こすための光子の基本的な振る舞いについて勉強しましょう。
この式から物質を通過後の光子の数は指数関数的に減少していくことが分かります。すなわち、光子のエネルギーが減弱していく(弱まっていく)ことが分かります。
または、
2018年度物理問22次の量とSI単位の組合せのうち、正しいものはどれか。
1 吸収線量 -m・s-2・kg-12 照射線量 -A・s-1・kg-13 線エネルギー吸収係数 -m・kg・s-24 質量減弱係数 -m・kg-15 質量阻止能 -m4・s-2
2016年度物理問17
細い線束でγ線が厚さの異なる鉛板(線減弱係数μ)に垂直に入射したとき、それぞれの透過後のγ線の強度を比較する。厚さyの場合の強度をI1、厚さ(x-y)の場合の強度をI2とすると、(I2/I1)として、正しいものは次のうちどれか。ただし、ビルドアップはないものとし、x>yとする。
2015年度物理問20
単位面積あたりの質量(面密度)の単位で与えられた半価層と等価なものは次のうちどれか。ただし、質量減弱係数をμmとする。
1 0.368μm 2 0.368/μm 3 0.693μm 4 0.693/μm 5 2.718μm
第二種試験
2019年度物理問7
2017年度管理技術Ⅰ問5Ⅱ質量減弱係数μmと光子エネルギーの関係を見てみると、中間的なエネルギー領域(約1~3MeV)の光子と物質の相互作用では、ほとんどの物質において、μmへの寄与が最も大きいのは(H)である。また、これよりも高いエネルギー領域では次第にμmに対する(I)の寄与が増大し、逆に、これよりも低いエネルギー領域では次第に(J)の寄与が増大する。
次に、μmと原子番号Zの関係を見てみると、(H)ではZのおおよそ(イ)乗に、(I)ではZのおおよそ(ウ)乗に、および(J)ではZのおおよそ(エ)乗に、それぞれ比例することが知られている。
2016年度管理技術Ⅱ問16
あるγ線に対する鉛の線減弱係数が1.2cm-1であった場合、線量率を1/4にするのに必要な鉛の厚さ[cm]として最も近い値は次のうちどれか。ただし、ビルドアップは無視するものとする。
年度末
ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
3月も後半になり、今年度も残すところおおよそ1週間になりました。
年度末になり、皆さん慌ただしく忙しい毎日を過ごしていることと思います。
コロナウィルスの影響が現在全国に及び、未だ収束の気配も見られず今後も非常に心配な状況が続いています。卒業式を控えていた人、また、4月に入社式を控えていた人にとっては、節目の行事が縮小されたり開催されないなどとなって非常に残念な年度末、年度初めになっていることを寂しく思います。
私の方も年度末慌ただしい毎日になっており、また4月以降はかなり忙しくなることが決まっています。今までのようにブログの更新が頻繁にできなくなり、読者の皆さんにはご迷惑お掛けするかもしれません。4月以降は週に2回はブログの更新を行えるように努力し、皆さんが今年の放射線取扱主任者試験に合格できるように有益な情報を提供していきたいと思っております。
今年度の放射線取扱主任者試験まではちょうど5か月になりました。
放射線取扱主任者試験は放射線概論と過去問題をしっかりと勉強すれば必ず合格できます。このブログでもよく出題される分野に関しては一通り記事にしてあります。
ブログの記事をしっかりと勉強し過去問題を解けば、本番の試験で必ず7割から8割は得点できます。
3月までは試験までの時間も十分にあったため、基本的な内容からじっくりと勉強をすることができた時期でしたが、これからの4月以降は本番の試験までの時間も限られてきますので効率的に勉強することが必要になります。
一通り放射線に関する知識を勉強した人は、これからはできるだけ過去問題を解く時間を多くしていきましょう。まだ、放射線に関する勉強が済んでいない人はゴールデンウィークまでには一通り終えて、ゴールデンウイーク明けからは過去問題に取り掛かれるようにすることが大切です。
多くの人にとって、本業である学業や仕事と資格試験の勉強を両立することは大変なことだと思います。しかし、このブログにお越しの皆さんは目標に向かって本当に努力しています。
苦労して努力して目標を達成できた瞬間は何物にも代え難い喜び、充実感が得られます。是非皆さんにその思いを感じて欲しく思います。