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放射性同位元素を利用した分析・計測装置に関する問題

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日も演習問題を一緒に解いてみましょう。
本日の演習問題は分析・計測装置に利用される放射性同位元素に関する問題です。
暗記しておけば必ず得点できる問題ですのでしっかり覚えて下さい。

問 次の工業利用機器のうち、中性子を利用しているものを選べ。
 ① レベル計 ② 密度計 ③ 水分計 ④ 硫黄計 ⑤ 煙感知器

 ①レベル計は、物体がある場合とない場合とでγ線の透過量が大きく変わることを
 利用しており、線源は透過力の大きい60Coや137Csのγ線源が一般的に用いられて
 います。
②測定対象の厚さが一定のとき、厚さ計と同じ原理で放射線の透過や散乱を利用し
 て見かけ密度の測定ができます。137Cs、60Co、241Amのγ線などが利用されてい
 ます。
中性子水分計には一般的に252Cfが利用されています。252Cfの速中性子の水素原子
 核との散乱を利用しています。
④硫黄計の線源としては241Am、55Feが利用されています。
⑤煙感知器にはイオン化式と光電式があり、放射性同位元素を利用するのはイオン
 化式で、241Amのα線により生ずるイオン電流が煙粒子密度に依存して減少するこ
 とを利用しています。
 
中性子を利用している機器は水分計ですので正答は③となります。
 
放射線取扱主任者試験では、分析・計測装置に利用される放射性同位元素に関する問題は第一種、第二種試験において毎年必ずといっていい程出題されています。
過去問題を自分で解いてしっかりと覚えるようにして下さい。

【第二種放射線取扱主任者試験 管理技術Ⅱ】
平成22年度問17 透過型厚さ計
平成23年度問20 レベル計、密度計、非破壊検査装置、厚さ計
平成24年度問22 レベル計、ECDガスクロマトグラフ、厚さ計、非破壊検査装置、
          密度計
平成25年度問22 レベル計、蛍光X線分析装置、厚さ計、非破壊検査装置、密度計
平成26年度問20 厚さ計、水分計、密度計、蛍光X線分析装置
平成27年度問20 透過型厚さ計、密度計、水分計、煙感知器
平成28年度問19 水分計、厚さ計、静電除去装置、ガスクロマトグラフ
平成29年度問18 非破壊検査装置、レベル計、蛍光X線装置、密度計、硫黄分析計
平成30年度問19 夜光塗料、グロー球、静電除去装置、煙感知器
令和元年度問9    厚さ計、密度計、水分計、石油硫黄計
 
【第一種放射線取扱主任者試験 化学】
平成18年度問29 厚さ計、ガスクロ検出器ECD、硫黄計、水分計
平成20年度問28 ガスクロ検出器ECD、厚さ計、蛍光X線分析装置
平成21年度問28 非破壊検査装置、硫黄計、ガスクロ検出器ECD、水分計
平成22年度問25 厚さ計、非破壊検査装置、静電気除去装置、水分計
平成23年度問27 メスバウアー分光装置、ガスクロ検出器ECD、蛍光X線分析装置、
         水分計
平成24年度問29 厚さ計、ガスクロ検出器ECD、煙感知器、水分計
平成25年度問29 硫黄計、ガスクロ検出器ECD、厚さ計、水分計
平成26年度問29 レベル計、ガスクロ検出器ECD、厚さ計、蛍光X線分析装置、
         水分計
平成27年度問30 硫黄計、メスバウアー分光装置、ガスクロ検出器ECD
         レベル計、蛍光X線分析装置
平成28年度問28 厚さ計、硫黄計、ガスクロ検出器ECD、レベル計、水分計
平成29年度問28 厚さ計、水分計、硫黄計、密度計
平成30年度問26 煙感知器、水分計、メスバウアー分光、ガスクロマトグラフ
         Rb-Sr年代測定法
平成30年度問27 厚さ計
令和元年度問27 レベル計、ECDガスクロマトグラフ、メスバウアー分光装置、
         散乱型厚さ計、煙感知器

第一種試験では物化生や管理測定技術、また第二種試験では管理技術Ⅰでも出題されることもありますので、しっかりと暗記しておきましょう。

平成23年度第二種試験 管理技術Ⅰ問2Ⅲからの抜粋
 放射性同位元素を利用した機器は、様々な用途で使用されており、放射線の種類やエネルギーなどを考慮し、目的に適した放射性同位元素が装備されている。
 エレクトロン・キャプチャ・ディテクタ(ECDガスクロマトグラフは、(J)低エネルギーβ線によるキャリアガスのイオン化を利用し、電流の変化からPCBなどの電子親和性化合物を高感度で検出(定量)する。本装置では一般的に、線源には(カ)63Niを用い、キャリアガスには窒素を用いている。
 厚さ計には、放射線の吸収や散乱の差を利用して厚さを測定するもので、測定対象物によって利用される線種や線源が異なる。使用許可、届出台数を比較してみると、β線を利用した厚さ計では線源に(キ)85Kr147Pmを用いた機器が多く、γ線を利用した厚さ計では線源に(ク)241Am137Csを用いた機器が多い。また、厚さ計には主に透過型と散乱型があるが、β線を利用した厚さ計は、(K)両方とも存在する。なお、放射線の吸収や散乱を利用した機器は厚さ計以外にも幅広く使用されており、多くの機器はβ線γ線を利用しているが、(L)水分計のように中性子線を利用している機器もある。

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