ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
先日は2019年度の試験に出題された放射性核種をいくつか掲載しました。
85Krについて掲載し忘れていましたので、今日は85Krについて暗記しておきたいことをいくつか記事にします。
85Kr
・半減期10.8年
・β-壊変
(84Kr、86Krなど安定同位体は多数存在)
・厚さ計
・希ガス
原子力百科事典ATOMICAからの抜粋
天然にはほとんど存在せず、ウラン等の核分裂によって生成する。半減期は10.76年でβ壊変し、安定同位体の85Rbとなる。β線のエネルギーは低く687keVである。また、小さな確率(0.4%)で同時にγ線(517keV)を放射する。85Krは、気密性を調べるリークデテクタ(漏洩検出器)用の検出ガスとして用いられる。また、ガスの流れの測定や厚さ計の線源としても用いられる。一方、85Krはキセノン(Xe)やヨウ素(I)とともに、軽水炉内でウラン燃料の燃焼に際して生成する主要な気体状核分裂生成物であり、原子炉施設内の85Kr濃度を測定することは安全評価上重要である。
85Krに関する過去問題をいくつか掲載します。
厚さ計に関するものがよく出題されていますね。
2019年度第二種試験化学問9
放射性同位元素装備機器に用いられる密封線源及び検出器に関する次の組合せのうち、正しいものはどれか。
A 厚さ計 85Kr プラスチックシンチレ-ション検出器
B 密度計 90Sr 3He比例計数管
C 水分計 252Cf GM計数管
D 石油硫黄計 241Am 電離箱
2018年度第一種試験化学問27
透過型厚さ計で用いる線源と下図に示した測定範囲の関係として、正しいものの組合せは次のうちどれか。
A B C D
1 90Sr 241Am 137Cs 85Kr
2 241Am 85Kr 90Sr 137Cs
3 90Sr 85Kr 137Cs 241Am
4 85Kr 90Sr 241Am 137Cs
5 85Kr 90Sr 137Cs 241Am
2018年度第二種試験管理技術Ⅰ問4Ⅰ
透過型厚さ計では、放射線が被測定物の厚さに応じて減衰する性質が利用されているが、例えば、0.01~1mm程度のプラスチックシートの厚さ測定には、この目的に適したエネルギーの(B)を放出する(イ)の密封線源が使われている。
2016年度第二種試験管理技術Ⅱ問19
放射性同位元素を装備した機器と放射線源の組合せとして正しいものはどれか。
A 水分計-241Am-BeB 厚さ計-85Kr
C 静電除去装置-210Po
D ガスクロマトグラフ-63Ni
2011年度第二種試験管理技術Ⅰ問2Ⅲ
厚さ計には、放射線の吸収や散乱の差を利用して厚さを測定するもので、測定対象物によって利用される線種や線源が異なる。使用許可、届出台数を比較してみると、β線を利用した厚さ計では線源に(キ)や147Pmを用いた機器が多く、γ線を利用した厚さ計では線源に(ク)や137Csを用いた機器が多い。また、厚さ計には主に透過型と散乱型があるが、β線を利用した厚さ計は、(K)とも存在する。なお、放射線の吸収や散乱を利用した機器は厚さ計以外にも幅広く使用されており、多くの機器はβ線やγ線を利用しているが、(L)のように中性子線を利用している機器もある。
また、主な核種のβ線エネルギーの順位は暗記しておきましょう。
14C(156keV) < 147Pm(224keV) < 85Kr(687keV)< 204Tl(764keV)
< 90Sr(90Y)(.28MeV) < 106Ru(106Rh)(3.64MeV)
シー ピーエム くっ たり す るん