ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
本日も昨日に引き続き、試験直前対策として放射線概論を中心に物理、化学、生物の重要な個所の最終チェックを行っていきましょう。
今日は物理編②です。
「4.放射性壊変」
壊変は、物理、化学、物化生の試験で頻出分野です。以下の基本事項は必ず暗記しましょう。
α壊変
α粒子であるヘリウムの原子核を放出する壊変
原子番号は2減少し、質量数は4減少する
α粒子は量子力学のトンネル効果によりクーロン障壁を通り抜けて放出される
β-壊変
原子核内の中性子が陽子に壊変
電子(β-)と反ニュートリノを放出する
原子番号は1つ増加し、質量数は変化しない
β+壊変
原子核内の陽子が中性子に壊変
陽電子(β+)とニュートリノ(ν)を放出する
原子番号は1つ減少し、質量数は変化しない
原子核中の陽子数が中性子数より多いとき起こりやすい
PET製剤の11C、13N、15O、18Fなどが代表的(PET製剤は半減期も重要)
軌道電子捕獲(EC)
原子核の陽子が軌道電子と結合して中性子となる
ニュートリノを放出する
特性X線またはオージェ電子の放出が起こる
また、内部転換、核異性体転移に関する問題も頻出問題です。
内部転換
原子核が励起状態(不安定な状態)にあるときに光子であるγ線を放出して安定な基底状態に転移する代わりに、軌道電子を放出して安定な基底状態に転移すること
放出された軌道電子を内部転換電子という。
・内部転換とγ線放出は競合過程である
・内殻の電子が放出されやすい(K殻)
・内部転換は軌道電子が放出されるため特性X線またはオージェ電子の放出が起こる
・γ線放出割合Pγに対する内部転換電子の放出割合Peを内部転換係数αという。
・内部転換電子は線スペクトル
・内部転換が起こっても原子番号は変化しない
核異性体転移(IT)
原子核の励起状態(不安定な状態)が比較的安定ですぐには基底状態に転移しない場合がある。この状態からエネルギーの低い安定な基底状態に移る過程を核異性体転移(IT)という。放射線取扱主任者試験では、核異性体転移としは137Csが最もよく出題されている。
自発核分裂(SF)
原子核の励起状態(不安定な状態)が比較的安定ですぐには基底状態に転移しない場合がある。この状態からエネルギーの低い安定な基底状態に移る過程を核異性体転移(IT)という。放射線取扱主任者試験では、核異性体転移としは137Csが最もよく出題されている。
自発核分裂(SF)
放射線取扱主任者試験では、252Cfが最もよく出題されている。
・1個のSFによりおよそ3.8個の中性子を放出する