ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は壊変に関連する基本的な問題を一緒に解いてみましょう。
放射線を学んでいく中で壊変の種類については最初の段階で覚えておきたい分野です。しっかり覚えて下さい。
放射線取扱主任者試験で出題される壊変としては、α壊変、β-壊変、β+壊変、軌道電子捕獲(EC)があります。その他、原子核での現象としては内部転換や核異性体転移、自発核分裂も試験ではよく出題されますので押さえておきたい分野です。
核異性体転移
原子核の励起状態(不安定な状態)が比較的安定ですぐには基底状態(安定な状態)に転移しない場合があります。この状態からエネルギーの低い安定な基底状態に移る過程を核異性体転移(IT)といいます。核異性体転移では、転移の前後では原子番号も質量数も変化しません。
内部転換
原子核が励起状態(不安定な状態)にあるときに光子であるγ線を放出して安定な基底状態に遷移する代わりに、軌道電子を放出して安定な基底状態に遷移することを内部転換と呼びます。内部転換の前後では原子番号も質量数も変化しません。
自発核分裂
では、問題の選択肢の原子番号の変化を見てみますと、
1 電子捕獲:原子番号は1減少する
3 陰電子放出:原子番号は1増加する
2019年度の試験で自発核分裂に関する問題として以下の問題が出題されています。
第一種試験物理問11
第二種試験物理問1
放射性壊変に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A β+壊変により、原子核から陽電子が放出される。
B EC壊変により、原子核から特性X線が放出される。
C 内部転換により、原子核からニュートリノが放出される。
D 自発核分裂により、原子核から中性子が放出される。
自発核分裂に関しては 自発核分裂の部分半減期を求める問題や放出される中性子の個数を求める問題も出題されます。これらの過去問題については、また次回紹介したいと思います。
壊変に関する問題は毎年必ず出題されますので必ず暗記しておくようにして下さい。
暗記しておけば確実に得点できます。本ブログでは今日の問題と同様の問題を以下の記事でも取り上げていますので是非ご覧下さい。