ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
昨日は気体発生の先週問題を解きましたが、真面目にひとつひとつ計算をしていくとかなりの計算量になることが分かったかと思います。
計算量が多くなればなるほど計算間違いをする確率も高くなり正答にたどり着けなくなくなってしまいます。また、それだけ時間もかかってしまいますので、本番の試験では他の問題を解く時間もなくなってしまいます。
計算間違いをなくすためにも、また時間節約のためにもできるだけ計算量は少なくすることが大切です。
昨日の問題をもう一度解いてみましょう。
問
精製した226Ra（半減期：1.60×103年）1gを密封容器に入れて100日間放置した。そのときの娘核種222Rn（半減期：3.82日）の標準状態（0℃,1.01×105Pa（1気圧）の状態）での体積[ミリリットル]に最も近い値はどれか。
ただし、1molの気体の体積は標準状態で22.4リットル、アボガドロ定数は6.02×1023mol-1、ln2=0.693とする。
① 3.3×10-4
② 6.5×10-4
③ 9.8×10-4
④ 1.3×10-3
⑤ 2.2×10-3
質量1gの226Raの放射能は求める式は立てなくてはなりません。
226Raの半減期は1600年、質量は1g、質量数は226であるので、これらの数値を代入すると（半減期は秒単位に変換すること）、
ここで、あえて計算はぜず、226Raの放射能はここで止めておきましょう。
この226Raの放射能と等しくなる222Rnのモル数をn[mol]とすると、222Rnの放射能は、公式に代入して、
となります。
この222Rnの放射能が先ほどの226Raの放射能と等しくなるので、
もうお分かりかと思いますが、両辺とも放射能の公式に代入した計算式ですので、「0.693」「24」「3600」「6.02×1023」は左辺右辺に同じ数字があります。
同じ数字は消去してしまえば計算式は簡単になりますので消去してしまいましょう。
この式からn[mol]を求めると、
となり、昨日求めた222Rnのモル数と同じになります。
これでかなり計算量は少なくなったのでないでしょうか。
文字式が分かりやすい人は文字式の方がもっとすっきりした式になるかと思います。
226Raの放射能は、
222Rnの放射能は、
これらが等しくなるので、
よって、
226Raと222Rnの半減期の単位には気を付けて下さい。秒単位に換算する必要はありませんが、年でも分でもいいので必ず揃えることを忘れないように。
計算は途中途中で最後まで解く必要はありません。
一番最後に計算する方が、本問題のように同じ数値は消去することができます。分数の式では約分することで計算量をかなり減らすことができます。
計算量を少なくすることは、
「計算間違いを減らすことができる」
「時間の節約になる」
本番の試験ではとても大切なことです。
日頃の勉強において過去問題を解くときから実践してみて下さい。
電卓を使用する癖がついていると、毎日の勉強で計算量を減らす努力もしなくなり本番の試験で焦ってしまうことが多々あります。気を付けましょう。
