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化学の基本計算(実務の問題から)

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

昨日は化学の基本計算について、モル、原子数(分子数)、発生する気体の体積に関する記事を記載しました。

今日は、この化学の基本計算について実際に出題された問題を解いてみましょう。

 

2021年度実務問5Ⅰからの抜粋

 

まず、押さえておきたいことは、

問題文中のラジウム223Ra)とラドン219Rn)はアクチニウム系列に属する核種で、アクチニウム系列は 235U から始まり 207Pb で終わる系列であるということは暗記しておきましょう。

4つの壊変系列(トリウム系列、ウラン系列、ネプツニウム系列、アクチニウム系列)は必ず暗記しておきましょう。

 

223Ra の半減期はおよそ11日、219Rn の半減期はおよそ3.9秒なので、親核種(223Ra)
半減期が娘核種(219Rn)の半減期に比べて十分に長いので両者の間には永続平衡が成立します。

永続平衡のおさらい

・親核種1の半減期が娘核種2の半減期に比べて非常に長いときに成立(T1>>T2
親核種1の放射能と娘核種2の放射能が等しくなる
 
  
(この式は暗記しましょう)
 

f:id:radioisotope_f:20200530111728j:plain

 

永続平衡では親核種の放射能 A1 と娘核種の放射能 A2 が等しくなります。

放射能は定義から、
 
 イメージ 3
 

ですので、(D)λ1N1 = λ2N2の関係が成り立ちます。

 

永続平衡では親核種の放射能と娘核種の放射能は等しくなるので、1MBqの 223Ra と永続平衡にある 219Rn の放射能も1MBqとなります。

219Rn の半減期を3.96秒、原子数を NRn とすると、1MBqは106Bqですので、以下の放射能を求める公式の中のアボガドロ数より後が原子数を表しているので、


 
 

 

 

 

よって、219Rn の原子数は、(E)5.71×106 個となります。
 
標準状態(0℃、1atm)における(E)5.71×106 個の 219Rn の体積を計算するためには、まず 219Rn の原子数からモル数を求めます。モル数は原子数をアボガドロ数で除したものですので、5.71×106個の 219Rn のモル数は、
 
 
 
標準状態(0℃、1atm)における理想気体1モル当たりの体積は 22.4L(=22400mL) なので、0.95×10-17モルの 219Rn の標準状態における体積は、
 

 

となります。
                           (F)2.13×10-13 [mL]
 
モル数、原子数(分子数),標準状態の気体の体積は必ず自分で計算できるようにしておかなくてはなりません。
過去問題をしっかり解いておいて下さい。