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2022年度第二種試験問題総評 実務編

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

令和4年度の第二種試験の総評を掲載致します。

 

2022年度第二種試験問題総評

【実務】

難易度は少し難しめだったかなと思います。

問1から問3、問12Ⅱで実務的な放射線管理に関する問題がいくつか出題されています。今後もこのような実務的な問題が毎年出題されてくると思いますので過去問題で勉強しておくことが大切です。

問11Ⅰの文章問題は毎年出題されていますので過去問題をしっかり解いておけば得点できます。毎年出題されることが分かっている問題を確実に得点できるようにすることが合格を近づけてくれます。

 

問1はICRP2007年勧告からの出題ですが、少し難しかったかもしれません。正当化、防護の最適化、線量限度の適用の3つの基本原則及び計画被ばく状況、緊急時被ばく状況、現存被ばく状況の3分類は2021年度の実務問5でも出題されています。1種試験では2021年度実務問6Ⅰ及び2016年度管理測定技術問6Ⅰで出題されています。今後も出題される可能性が高いので、1種試験の2つの文章問題を解いておくと良いでしょう。

問2は防護量・実用量の問題も少し難しかったかもしれません。何が防護量に該当するのか、何が実用量に該当するのかは押さえておきたいですね。

問3の記録レベル、調査レベル、介入レベルといった用語も聞きなれない受験生も多かったかもしれません。作業管理において法令上の防護基準に基づいてこれらの参考レベルとなる評価基準を設定しています。用語を知らなくても設定される値の大小は介入>調査>記録であることは容易に想像できますので正答は難しくなかったかと思います。

問4、問5はGM計数管の問題です。問4の数え落とし補正後の真の計数率を求める計算問題は過去問題でも頻繁に出題されていますので正答したい問題です。問5は少し難しかったですね。ただ、選択肢A、Cが誤りであることが分かれば消去法で正答にはたどりつけます。

問6は半導体検出器に関する問題ですが、2014年度の管理技術Ⅱ問4とほぼ同じ問題です。過去問題をしっかりと解いておけば正答できます。

問7は90Srのβ線の検出に関する問題です。1種試験の2006年度物理問6、2018年度物理問24に近い問題です。α線γ線についても検出に適した検出器は覚えておきたいですね。90Srは非常に出題頻度が高い核種で放射平衡でも重要ですので半減期やエネルギーも確実に暗記しておきましょう。

問8は個人線量計に関する問題です。2種試験では個人線量計に関する問題が非常によく出題されています。過去問題をしっかり解いておくことが大切です。2018年度管理技術Ⅱ問23、2016年度管理技術Ⅱ問21にも同様の問題が出題されています。

問9の標準偏差を求める計算問題も過去問題で頻繁に出題されていますので正答したい問題です。公式を確実に覚えておきましょう。

問10は個人被ばく管理に関する問題です。2018年度管理技術Ⅱ問14、2013年度管理技術Ⅱ問16で同様の問題が出題されています。基本的な問題ですので正答したい問題です。

問11、問12は文章問題です。

問11Ⅰは第二種試験では毎年必ず出題されている計算問題です。

今年度も比較的計算量も少なく素直な解きやすい問題かと思います。

実効線量率を求める公式をしっかり暗記して計算間違いをしないように落ち着いて計算すれば正答できる問題です。毎年、法令に絡めて人が常時立ち入る場所、管理区域境界、事業所の境界の線量限度等も出題されていますので確実に暗記しておきましょう。(ウ)の線源の使用時間を求める問題も過去にも出題されていますので、過去問題をしっかりと解いておきましょう。

問11Ⅱは個人線量計サーベイメータに関する問題です。OSL線量計や蛍光ガラス線量計、熱蛍光線量計TLD)などは非常に出題頻度が高い線量計ですので原理や特徴は勉強しておきましょう。(M)は迷ったかもしれませんね。ブラッグ・グレイの空洞原理に関する問題では出題されることがあります。

 

問12は60Co密封線源に関する問題です。

Ⅰの前半は60Coに関する基本的な問題ですので全問正答したいですね。(ア)のフルエンス率は1種試験、2種試験ともに出題頻度の高い問題ですのでこれも正答したいですね。2種試験では2021年度実務問1、2018年度管理技術Ⅰ問4Ⅱ(D)、2017年度管理技術Ⅰ問5Ⅲ(K)(オ)などで出題があります。後半は難しかったかもしれませんが、2種試験でも2018年度管理技術Ⅰ問4Ⅱや2017年度管理技術Ⅰ問5Ⅰでは同様の問題が出題されていますので頑張って勉強しておきたい分野ですね。問11Ⅱ同様、ブラッグ・グレイの空洞原理に関する問題でよく出題される問題です。

問12Ⅱは放射線管理に関する問題です。

外部被ばくに対する防護は問1でも出題されていますので、3原則の(I)時間・距離・遮蔽や(J)コールドランなどはしっかりと覚えておきましょう。個人線量計の装着部位に関しても問8で出題されています。男性、女性の場合、防護衣がある場合の装着部位を確認しておきましょう。(ウ)の計算問題は公式に当てはめるだけですので正答できます。(オ)の計画外の被ばくがあった場合に原子力規制委員会に報告する必要のある線量、また(カ)の70μm線量当量率の問題は難しかったかもしれません。