ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
昨日の記事では、これから放射線を学ぶ人に向けて、用語の説明と放射能を求める公式について簡単に記載しました。
今日は昨日記事にした公式を用いて放射能を計算してみましょう。
問 60Coの半減期は5.3年である。60Co 1μgの2.65年後の放射能はいくらか。
ただし、アボガドロ数を6×1023、ln2=0.693とする。
まず、放射能を求める公式をおさらいしましょう。
この公式は、必ず暗記しなくてはならない超重要公式です。
放射能を求める公式
w/Mで放射性物質のモル数を表し、モル数にアボガドロ数を乗じたNA×w/Mで原子数を表しています。ln2/Tは壊変定数です。
本問題で与えられているNA=6×1023、ln2=0.693を代入すると以下の式になります。
この公式に60Coの半減期5.3年、重量 1μg、質量数60を代入し、まず初めに60Co 1μgの放射能を求めてみましょう。
半減期は秒単位に換算し、重量はg単位に換算します。
1年=3600秒×24時間×365日ですので、1年=3.15×107秒も暗記しておくと放射能を求める計算問題では役に立つことがあります。
となります。
ここからは今日の記事の大切なところです。
半減期Tの放射性核種の初期の放射能をA[Bq]とすると、時間tが経過した後の放射能A'[Bq]は、
と表すことができます。
この式も非常に重要な式ですので必ず暗記しておかなくてはなりません。
半減期時間が経過するごとに最初の放射能の1/2、1/4、1/8、1/16と減少していくことを表しています。
60Co 1μgの放射能である4.2×107[Bq]が2.65年後にはどのくらいになっているかというと、上述の式に代入して
となります。
放射線取扱主任者試験では、この問題の様に基本的な指数の計算も必要となってきます。指数計算を苦手としている人は高校の数学の教科書をもう一度確認してみましょう。1/2乗が平方根になることも覚えておきましょう。