ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は化学の試験で出題される比放射能に関する問題を一緒に解いてみましょう。
問
次の核種の関係のうち、無担体の状態での比放射能[Bq・g-1]の大きなものから並べられてるものはどれか。ただし、それそれの核種の半減期は85Kr:10.76年、192Ir:73日、241Am:432.2年とする。
1 241Am>85Kr>192Ir
2 241Am>192Ir>85Kr
3 192Ir>241Am>85Kr
4 192Ir>85Kr>241Am
5 85Kr>192Ir>241Am
241Am:
核種の半減期と質量数の積の順は、241Am>85Kr>192Irとなりますので比放射能[Bq・g-1]の順番はその逆になり、192Ir>85Kr>241Amとなります。
よって、正答は4となります。
本問題の場合は、核種の半減期と質量数の積を比較すれば正答を導くことができますので、半減期の単位は[秒]にそろえなくても[日]でも[年]でも構いません。比放射能[Bq・g-1]を計算するためには半減期を[秒]単位にしなくてはなりませんので、基本に沿って[秒]単位に揃えて解いてみました。
1年がおよそ3.15×107[秒]になることは覚えておくと役に立ちます。
同様の問題は過去の第一種試験、第二種試験でも出題されています。過去問題をしっかり勉強して比放射能を計算できるようにして下さい。
2017年第一種試験化学問2
無担体の54Mn(半減期:312d)、60Co(半減期:5.27y)、131I(半減期:8.02d)があるとき、比放射能[Bq・g-1]が大きいものから順に正しく並んでいるものは次のうちどれか。
1 131I>54Mn>60Co2 54Mn>131I>60Co
3 131I>60Co>54Mn
3 54Mn>60Co>131I
4 54Mn>60Co>131I
5 60Co>54Mn>131I
2015年第一種試験化学問6
無担体の3H、14C、32P、35S、45Caについて1モル当たりの放射能[Bq・mol-1]の低い順に正しく並んでいるのはどれか。
1 35S<32P<45Ca<14C<3H2 3H<35S<14C<45Ca<32P
3 14C<35S<45Ca<3H<32P
4 14C<3H<35S<45Ca<32P
5 14C<3H<45Ca<35S<32P
2012年第一種試験化学問4
次の放射性核種を、比放射能[Bq・g-1]の大きい順に並べたものはどれか。ただしそれぞれの核種の半減期を14Cは5730年、60Coは5.3年、32Pは0.04年とする。
A 14C
B 32P
C 60Co
2018年第二種試験化学問4
4種類の単体の放射性核種1g当たりの放射能が小さい順に並んでいるものは次のうちどれか。()内は半減期である。
A 60Co(5.3年)B 137Cs(30年)
C 204Tl(3.8年)
D 241Am(430年)
本日の問題で出題されている 85Kr、192Ir、241Am はいずれも放射線取扱主任者試験ではよく出題される核種です。半減期、壊変、エネルギー値は覚えておきましょう。
また、いずれの核種も放射線利用機器の線源としても出題されていますので、過去問題を解きながら覚えていくと良いでしょう。