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放射能を求める公式 補足

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

昨日、比放射能に関する記事を掲載しましたが、今日は放射能を求める公式について補足の記事を書きたいと思います。

放射能を求める公式は必ず暗記しておかなくてはなりません。

 

放射能を求める公式

 f:id:radioisotope_f:20200123112816g:plain

 A:放射能[Bq] T:半減期[s] w:放射性物質の質量[g] 

 M:放射性物質の質量数  NA=アボガドロ数(6.02×1023

 

放射能は単位時間当たりの壊変数、すなわち壊変率と定義されます。

放射能の単位Bq(ベクレル)は1秒間あたりの壊変数ですので放射能をBq単位で求めるときには半減期は秒単位を用いなくてはなりません。
単位時間当たりの壊変数を式で表すと f:id:radioisotope_f:20200123101514g:plain になります。

そのため、放射能は f:id:radioisotope_f:20200123101738g:plain と表すことができます。

マイナスの符号は時間とともに放射能が減少していくことを意味しています。

この放射能(単位時間当たりの壊変数)はそのとき存在していた原子数Nに比例するので、比例定数をλとすると、

 f:id:radioisotope_f:20200123101409g:plain

と表すことができます。この比例定数λを壊変定数と呼びます。
 
では、この方程式 f:id:radioisotope_f:20200123102124g:plain を解いてみましょう。微分方程式になります。
 
両辺をNで除して

 f:id:radioisotope_f:20200123102252g:plain

 

両辺の時間積分をとって、

 f:id:radioisotope_f:20200123102415g:plain

 
簡単にして、

 f:id:radioisotope_f:20200123102518g:plain

 
左辺の積分 f:id:radioisotope_f:20200123102640g:plain は f:id:radioisotope_f:20200123102749g:plain となり、右辺の積分 f:id:radioisotope_f:20200123102840g:plain は f:id:radioisotope_f:20200123102937g:plain(Cは定数) となりますので、

 f:id:radioisotope_f:20200123102518g:plain は、f:id:radioisotope_f:20200123103251g:plain と書き表されます。

両辺に-1を乗じて、

 f:id:radioisotope_f:20200123105159g:plain

 
よって、この式からNを求めると、
 f:id:radioisotope_f:20200123105403g:plain
 
変形すると、
 f:id:radioisotope_f:20200123105601g:plain
 
ここで、t=0、すなわち最初の原子数NをN0とすると、f:id:radioisotope_f:20200123105853g:plain として、
 f:id:radioisotope_f:20200123105947g:plain
を導くことができます。
 
ここで、半減期の定義を思い出してみましょう。半減期とは放射能(又は原子数)が初めの放射能(又は原子数)の半分になるまでの時間ですので、半減期をTとすると以下の式が成立します。

 f:id:radioisotope_f:20200123110342g:plain

 
両辺をN0で除して、
 f:id:radioisotope_f:20200123110520g:plain
両辺の自然対数をとると、
 f:id:radioisotope_f:20200123110650g:plain
ここで、 f:id:radioisotope_f:20200123110929g:plain  、対数の公式 イメージ 11、さらには f:id:radioisotope_f:20200123111119g:plain を用いて、
 f:id:radioisotope_f:20200123110823g:plain
 
よって、半減期Tは、
 f:id:radioisotope_f:20200123111234g:plain
これをλについて解くと、
 f:id:radioisotope_f:20200123111324g:plain
となります。
 

放射能は比例定数をλとすると以下の式で表されることを最初に記述しました。

 f:id:radioisotope_f:20200123101409g:plain

この式に上で求めた原子数N及び比例定数(壊変定数)λを代入すると、

 f:id:radioisotope_f:20200123111739g:plain

原子数Nはアボガドロ数×モル数で表されます。また、モル数は物質の質量を物質の質量数で除したものなので、アボガドロ数をNAとして原子数Nを式で表すと、

 f:id:radioisotope_f:20200123112629g:plain

この式を代入すると放射能の公式を導くことができます。
 f:id:radioisotope_f:20200123113157g:plain
 
放射能を求める公式の導入方法までは覚える必要はありませんが、放射能を求める公式と合わせて以下の式は暗記しておきたい式です。
 
 f:id:radioisotope_f:20200123101409g:plain 
 f:id:radioisotope_f:20200123105947g:plain
 f:id:radioisotope_f:20200123111324g:plain
 f:id:radioisotope_f:20200123112629g:plain