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放射能の計算

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

先日、これから放射線を学ぶ人に用語や単位についての記事を紹介しました。その中で、放射線取扱主任者試験では放射能放射性物質の質量、原子数などを計算する問題が毎年のように出題されています。

2019年度の試験問題では、

 第一種試験:化学問1、問3、問4

 第二種試験:物理・化学・生物の化学問1、問3

第二種試験の物理・化学・生物の化学問1を除いては、全て放射能を求める公式を用いて計算することができます。必ず覚えておかなくてはならない重要公式です。

 

放射能を求める公式は以下の式で計算できます。

 f:id:radioisotope_f:20191111092958g:plain

 A[Bq]:放射能 T[s]:半減期 w[g]:放射性物質の質量 M:放射性物質の質量数

 6.02×1023アボガドロ数

 

 ここで、

 f:id:radioisotope_f:20191111093519g:plain は壊変定数と呼ばれ一般的にλで表します。

壊変定数:

放射性核種の壊変の確率を表す尺度で、一個の不安定な素粒子原子核が単位時間に壊変する確率のことを一般に記号λで表し、核種に固有な定数である。(原子力百科事典 ATOMICAより)

 f:id:radioisotope_f:20191111093858g:plain は質量を質量数で除したものでモル数を表しています。

 f:id:radioisotope_f:20191111093858g:plain にアボガドロ数(6.02×1023)を乗ずることで原子数になります。

 

放射能は単位時間当たりの壊変数、すなわち壊変率と定義することができます。

壊変率(放射能)Aは、壊変定数をλとするとそのときの原子数Nに比例することから上述した公式を導入することができます。導入の仕方に興味のある人は以下の記事をご覧下さい。

 放射能を求める式

 

2019年度の問題を見てみると、

第一種試験化学問1は放射能が等しい2つの異なる核種60Coと57Coの原子核数の比を問われています。放射能Aと半減期Tが分かっていますので放射能を求める公式のアボガドロ数×w/Mの比を求めればよいことが分かります。

 

化学問3は放放射能Aと半減期T、式量が分かっていますので放射能を求める公式から質量wを求めます。(第二種試験物理・化学・生物の化学問3も同様)

 

化学問4はそれぞれの値を放射能を求める公式に代入して放射能を求めます。(Dのみ放射平衡の知識が必要になります)

 

第二種試験物理・化学・生物の化学問1は少し考え方が異なりますので、また後日触れたいと思います。

 

本日の内容で重要なことは、放射能を求める公式は必ず暗記するということです。