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皮膚の放射線障害

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

先日、確定的影響の中の白内障に関する記事を掲載いたしましたが、今日は同じ確定的影響に属する皮膚の放射線障害に関して問題を解きながら勉強しましょう。


X線γ線などで生ずる皮膚の障害の程度は(A)に応じて4つに分けられる。
第1度では、2~6Gy程度の被ばく後、およそ(B)の潜伏期を経て、皮膚は乾燥し、(C)が生ずる。しかしながら、その他には症状はほとんどない。
第2度では、6~10Gy程度の被ばく後、およそ(D)の潜伏期を経て、充血、腫脹、紅斑などを起こす。
第3度では、10~20Gy程度の被ばく後、およそ(E)の潜伏期を経て、高度の紅斑、腫脹などの炎症が現れ、その後に(F)から湿性皮膚炎となる。
第4度では、20Gy以上の被ばく後、およそ3~5日の潜伏期に続いて、激しい炎症を起こし、進行性のびらんや(G)をもたらす。

 
皮膚の放射線障害はしきい線量が存在するため確定的影響に該当します。
おおまかには 初期紅斑→水泡→びらん・潰瘍 の順になります。
紅斑で最も早く現れる影響が一過性の初期紅斑でおよそ3Gy程度で2-3日で出現し、およそ5Gy以上で持続性紅斑となります。
 
皮膚の放射線障害のおおまかなしきい線量や潜伏期間は以下のとおりです。
                         (放射線概論からの抜粋)
3Gy以上:脱毛
       脱毛に関しては1-2Gyで髪の成長が一時的に停止
       3Gyで3週間後に脱毛
       4-5Gyで1~2週間後に脱毛
3-6Gy:紅斑、色沈
7-8Gy:水泡、びらん
10Gy以上:潰瘍
20Gy以上:難治性潰瘍、湿性落屑(乾性落屑は被ばく後およそ3週間ほど)

2-6Gy:3週間 乾燥、脱毛
6-10Gy:2週間 充血、紅班
10-20Gy:1週間 炎症、水泡
20Gy以上:3-5日 びらん、潰瘍
 
本日の問題の正答を入れてみますので全文を幾度も読んで覚えて下さい。

X線γ線などで生ずる皮膚の障害の程度は(A)吸収線量に応じて4つに分けられる。
第1度では、2~6Gy程度の被ばく後、およそ(B)3週間の潜伏期を経て、皮膚は乾燥し、(C)脱毛が生ずる。しかしながら、その他には症状はほとんどない。
第2度では、6~10Gy程度の被ばく後、およそ(D)2週間の潜伏期を経て、充血、腫脹、紅斑などを起こす。
第3度では、10~20Gy程度の被ばく後、およそ(E)1週間の潜伏期を経て、高度の紅斑、腫脹などの炎症が現れ、その後に(F)水泡から湿性皮膚炎となる。
第4度では、20Gy以上の被ばく後、およそ3~5日の潜伏期に続いて、激しい炎症を起こし、進行性のびらんや(G)潰瘍をもたらす。

 
皮膚の放射線障害の特徴は原子力百科事典ATOMICAにも詳しく記載されています。
 放射線の皮膚への影響 (09-02-04-04) (出典 原子力百科事典ATOMICA)
 

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放射線取扱主任者試験では、第一種試験、第二種試験ともに皮膚の放射線障害は非常に出題頻度の高い分野です。2019年度試験でも第一種試験の生物で出題されています。
次回の記事で最近出題された問題を掲載したいと思います。