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皮膚の放射線障害 過去問題

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は皮膚の放射線障害についての最近の過去問題を掲載します。是非自分で解いてみて下さい。正誤問題の正しい選択肢は暗記するくらいの気持ちで、また文章問題は問われている箇所だけでなく全文を通して意味を考えながら読むことが大切です。
2019年度試験では皮膚の放射線障害については第一種試験の生物で出題されています。
 
第一種試験
2019年度生物問24
137Cs γ線局所被ばくによる皮膚障害に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 3Gy被ばくの数時間後に、被ばく部位に軽い痛みを生じることがある。
B 被ばく後48時間以内に見られる紅斑は、毛細血管の拡張により生じ
      る。
C 被ばく後2~3週間後に見られる紅斑は、血管の狭窄により生じる。
D 難治性潰瘍のしきい線量は、1回で被ばくした場合より同一線量を分割
      して被ばくした場合の方が小さい。
2018年度生物問14
急性γ線被ばくによる皮膚の障害に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 皮膚に3Gyを被ばくした場合、1日以内に紅斑が見られる。
B 皮膚に3Gyを被ばくした場合、約3週間後に脱毛が見られる。
C 皮膚に3Gyを被ばくした場合、約3週間後に水疱が見られる。
D 乾燥落屑のしきい線量は、湿性落屑のしきい線量より高い。

2017年度生物問14 

γ線による皮膚障害に関する記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 同程度の障害を起こすのに必要なエネルギーは熱傷の場合よりも大き

      い。
B 4Gy急性被ばくすると、2~3週間程度後に一時的脱毛が生じる。
C 総線量が同一であれば1回で被ばくした場合の方が分割して被ばくした

      場合よりも障害が小さい。
D 3Gy急性被ばくすると、数時間から24時間後に紅斑が生じる。
E 4Gy急性被ばくすると、6ヶ月以内に皮膚の萎縮が生じる。

2015年度生物問14 

皮膚の10Gyγ線急性被ばくによる影響に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 被ばく中に軽度の熱感を感じる。 

2 被ばく中に痛みを感じる。 

3 被ばく後2日以内に一過性の紅斑を認める。 

4 被ばく後3日以内に脱毛が起こる。 

5 被ばく後に色素沈着が起こることはない。

2014年度物化生問5Ⅰ

(中略)

皮膚の急性障害としては、紅斑、脱毛などが代表的なもので、脱毛のしきい線量は約(F)Gyとされ、被ばくの(G)週間後に生じる。皮膚の晩期障害としては、(H)が重要である。皮膚は体表面に位置する組織であるために、照射線量が同一であっても、放射線エネルギーの違いにより、急性障害や晩期障害の程度は異なる点に注意を要する。すなわち、X線γ線のエネルギーが異なる場合には、(I)による吸収線量のピークの位置(深さ)が異なり、結果として皮膚の基底細胞の吸収線量は異なることとなる。例えば、コバルト60とイリジウム192の密封線源を比較した場合、コバルト60から放出されるγ線の平均エネルギーは約(J)keVであるのに対して、イリジウム192から放出されるγ線の平均エネルギーは約(K)keVであるために、照射線量が同一である場合には皮膚の急性障害は(L)の方が重篤となる。皮膚の晩期障害である難治性潰瘍の原因は主に(D)であるため、基底細胞よりも(M)での吸収線量が問題となる。

 第二種試験

2016年度管理技術Ⅰ問1Ⅱ

(中略)

身体の一部を被ばくすると急性局所障害が起きる。皮膚では、一時的な(L)が3Gy以上のγ線被ばくによって生じる。また、落屑などは10Gy以上の被ばくで、糜爛、(M)などは20Gy以上の被ばくで生じる。

2014年度管理技術Ⅰ問1Ⅲ

(中略)

皮膚は、表皮、真皮、皮下組織で構成され、毛嚢、汗腺、皮脂腺や血管などを含む。表皮の最下層には幹細胞である(O)の層があり、放射線感受性が高い。表皮表面から(O)層までの平均の深さは(P)程度とされ、個人被ばく線量測定に用いられる線量当量はこの深さに対応している。また、真皮内にある毛嚢にも幹細胞があり、放射線感受性が高く、被ばくによる脱毛の原因となる。
 放射線被ばくで起きる皮膚の早期影響は、被ばく線量が増すと、潜伏期が短くなり、症状の重篤度が増す。ガンマ線急性被ばくでは、3~6Gy程度で2~3週間後位から脱毛と(Q)が、7~8Gy程度では1~2週間後位で(R)が、10Gy以上では1週間程後位で糜爛や潰瘍が、20Gy以上では数日後位から難治性潰瘍や壊死等が生じる。

2012年度管理技術Ⅰ問1Ⅱ

皮膚は被ばく線量に応じて、脱毛、紅斑、水疱、糜爛、潰瘍を生じる。皮膚は(J)、真皮、皮下組織からなり、付属器官には汗腺、皮脂腺、毛嚢、血管などがある複雑な組織である。被ばく後、皮膚で敏感に反応するのは、(J)の最下層にある(K)で、増殖阻害などが起こる。線量と被ばく後経過時間に応じて上記のような様々な障害が現れるが、約2~3Gy被ばくすると、毛細血管の拡張によって(L)が、毛嚢の障害によって(M)が起こる。20~30Gy以上の高線量を急性被ばくすると、皮下組織が壊死となって難治性の(N)が起こる。