放射線取扱主任者試験に合格しよう!

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生物の問題を振り返って

2019年度の第一種放射線取扱主任者試験の生物の問題について少し触れたいと思います。
いくつか難しい問題も含まれているように感じます。選択肢の中で正誤の判断を迷うものもありますが、他の選択肢から正答にたどりつける問題も多くありますので難易度は例年並みといった感じかと思います。

過去問題をしっかりと解いて臨み、6割は得点したい問題です。

問2は放射線の産業利用に関する問題で農業分野での吸収線量についての問題である。それぞれの事例において放射線が利用されていることは覚えておきたいことであるが、本問題では吸収線量まで問われているので難しい問題である。
問3,8は臓器親和性に関する問題である。問3の骨に集積する核種や問8で問われている核種が集積する臓器は確実に覚えておきたい。
問4は急性放射線障害に関する問題であるが、近年同様な問題が何回か出題されている。詳細な症状、数値まで覚えておかなくてはいけないので難しい問題の部類である。
問6は唾液腺への被ばくに関する問題である。唾液腺に関しては2012年の生物で出題されているが、この問題も難しい問題であったと思う。
問7は相対リスクに関する問題である。相対リスクや絶対リスクに関する問題は出題頻度が高いので過去問題をしっかりと解いておきたい。
問9,11は医療被ばくや自然放射線に関する問題である。できるだけ最新の情報で被ばく線量などの数値は覚えておきたい。
問12,13の直接作用、間接作用は基本ですね。生物の問題では毎年のように出題されています。
問17は計算問題です。2018年度生物問23の類題です。近年はこのような計算問題がよく出題されていますので難しく感じるかもしれませんが過去問題をしっかり解いて解き方を理解して下さい。
問20においてブラッグピークについては理解しておきましょう。
問22は眼の放射線影響における白内障や水晶体混濁に関する問題である。第二種の管理技術Ⅰの試験では2012年や2016年に類似の問題が出題されているが、やや難しい問題であったかもしれない。
問24は皮膚障害に関する問題である。皮膚に関しては被ばく線量と症状の関係がなかなか複雑であるのでやや難しい問題であったかもしれない。
問26は名目リスク係数に関する問題である。近年では名目リスク係数に関する問題がよく出題されている。2007年勧告のがんの名目リスク係数の値(5.5%や4.1%)や遺伝性(的)影響の名目リスク係数の値(0.2%、0.1%)は暗記しておいた方が良い。
問29の99mTcのように核医学に利用される核種は覚えておきたい。
問30はホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に関する問題である。基本的な原理と10B(n,α)7Liの核反応は覚えておきたい。

今年度の計算問題は昨年度(2018年)の問23の類題です。

この手の問題は苦手な人も多く難しく感じられるかと思います。同様の問題は、2012年度化学問1、2018年度物理問8でも出題されています。今後も必ず出題されていくかと思いますので過去問題をしっかりと解いて自分で解ける様にしておくことが大切です。