ミルキング - 放射線取扱主任者試験に合格しよう！

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

今日も化学に関する記事を紹介したいと思います。

化学や物化生で出題されるミルキングについて是非覚えて下さい。

ミルキング
放射平衡にある親核種と娘核種の混合物から娘核種を化学的に単離する操作

ミルキングは、医学診断に使用される強力な放射性物質を得る手法の1つです。
強い放射能の^99mTcはSPECTのような医学診断に使用されますが、半減期が6時間であるため1日で16分の1にまで減少してしまいます。これを補うために^99mTcの親核種である⁹⁹Moを保有して、β-崩壊を起こして生まれる^99mTcを分離・利用します。
このように親核種と娘核種の放射平衡関係を利用して放射能を持つ娘核種を得る方法をミルキングと呼びます。

^99mTcは通常ミルキングで製造します。
　

　過渡平衡

ミルキングに用いられる親核種
　Mg　 Ar　　　Ge　　Y　　Sr　　　Mo　Te　　Cs　　　Ba Ra
　ま　あるい　芸者　Y字ストロー　もって　せしめた　バラ
　
ミルキングに用いられる装置をジェネレータという。

核医学などで重要な核種である^99mTcについても是非覚えましょう。

・IT（核異性体転移）半減期6h　141keVのγ線放出　

　井戸型NaI(Tl)シンチレーションで測定
・インビボ検査（シンチカメラ、SPECTなど）

　10月11日の核医学用核種の記事参照
　ECまたはITで低エネルギーγ線放出核種(100-200keV程度)がいい
　体内投与のため、半減期は短いものがいい
　インビボ検査向きの核種は、^99mTcの他、¹²³I,²⁰¹Tl ,⁶⁷Ga
　　¹²³I ：　EC100%　13.3h　159keVγ線
　　²⁰¹Tl：　EC100%　3d　167keVγ線
　　⁶⁷Ga：　EC100%　3.3d　93.3keVγ線

・テクネチウムジェネレータで生成（アルミナカラムを使用）
　平成20年度物化生問3Ⅱ,Ⅲ、平成25年度物化生問4Ⅳ、第7版放射線概論P.139

①⁹⁹Moの生成反応