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内部放射線療法

ブログをご覧のみなさん、こんにちは。
一昨日、131Iに関するコメントを頂きましたので回答いたしましたが、少し補足記事を掲載したいと思います。
 
ヨウ素放射線取扱主任者試験では非常によく出題される核種のひとつです。管理測定技術の試験でよく出題されていますので必ず押さえておきたい核種です。
化学
平成18年度化学問14
平成21年度化学問17
平成23年度化学問15
平成24年度化学問13
平成25年度化学問11,12
平成26年度化学問28
 
管理測定技術
平成18年度問5Ⅱ
平成19年度問3Ⅱ
平成22年度問3Ⅲ
平成23年度問5Ⅱ,Ⅲ
平成24年度問3Ⅱ,問4Ⅳ
平成27年度問4Ⅱ,Ⅲ
平成28年度問4Ⅲ, Ⅳ
 
ヨウ素で覚えておきたい放射性同位体は、123I、125I、128I、129I、131Iの5種類です。安定同位体127Iになります。
それぞれに関する是非覚えておきたい事項は、本ブログの10月11日の記事をご覧ください。
ヨウ素の中で131Iは内部放射線療法に利用されます。非密封線源であるため、注射、服用で使用します。
 ヨウ素の中で131Iのβ線のエネルギーを606keVとすると、
 
 イメージ 2
          イメージ 3
 
身体の大部分は水なので密度を1[g/cm3]とすると、その飛程は0.195[cm]くらいとなります。すなわち、131Iのβ線は組織中で2mm以内にある癌細胞を破壊すると考えられます。
内部放射線療法には、131Iの他に、89Sr、90Yなども使用されます。飛程がどのくらいになるかは皆さん計算してみて下さい。
 
長崎大学先導生命科学研究支援センターアイソトープ実験施設HPから)
131Iは投与後すみやかに甲状腺に蓄積し、β線およびγ線を放出しながら 131mXeという別の原子核に変化します。 ここで放出されるβ線の飛程は2mmと短く、周囲の癌組織に損傷を与えます。 これを利用するわけです。この壊変の半減期は8.02日、すなわち8日たてば放射能は半分に減っていることになります。 ついで131mXeは弱いγ線を放出し、11.84日の半減期放射能を持たない安定同位体である131Xeに変化します。
 
イメージ 1
 
参考までに、内部放射線療法にはγ線も利用されます。密封小線源であるため、照射、針挿入で使用します。使用核種は60Co、137Cs、198Au192Ir、125I、226Raなどがあります。
 
ヨウ素に関しては平成27年度物化生問4でも出題されている。その中で、問4Ⅱは内部放射線療法に関して以下の出題がされています。
「放射性核種の内用療法には、β-線を放出する核種が適している。131Iは半減期(エ)8.02日でβ-壊変(Eβ-max=606keV)し、γ線(主に(J)365keV)を放出するため、甲状腺疾患の内用療法やインビボ検査にも用いられる。なお、1GBqの131Iの原子数は約(K)

1.0×1015個である。」