放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

体内放射線量を求める問題

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日も演習問題を一緒に考えましょう。
本日の問題は内部被ばくにおける放射性核種の体内残存放射線量を求める問題です。
第一種試験では生物や管理測定技術の課目で、第二種試験では管理技術Ⅰ及びⅡの課目でよく出題されていますので必ず解けるようにマスターして下さい。

問 体外計測法による内部被ばく検査の結果、3,000Bqの134Cs(半減期2.0年)が全身均等に分布していることが分かった。生物学的半減期を100日とすると、1年後に残存する134Csの量として最も近いものを次の中から選べ。

 ①70Bq ②170Bq ③340Bq ④500Bq ⑤700Bq
まず体内の放射性物質の減少についておさらいです。
内部被ばくにより体内に放射性物質が取り込まれた場合、その放射性物質の量は
 ①放射性壊変による物理的減衰:物理学的半減期 (Tp)
 ②排泄機構による生物学的減少:生物学的半減期 (Tb)
により減少していきます。
 
物理学的半減期(Tp)、生物学的半減期(Tb)の両者による体内の放射性物質の減少をあわせて表したものが有効(実効)半減期(Te)となります。
有効(実効)半減期(Te)は、
 
 イメージ 1
 
よって、
 
 イメージ 2
 
となります。重要公式ですので必ず暗記しましょう。
 
本日の問題では、物理学的半減期(Tp)が2.0年、生物学的半減期(Tb)が100日であるので、公式を用いると有効(実効)半減期(Te)は、
 
 イメージ 3
 
       イメージ 4
 
となります。
有効(実効)半減期(Te)を計算するときには、物理学的半減期(Tp)と生物学的半減期(Tb)の単位をそろえることを忘れないようにしましょう。
有効(実効)半減期(Te)が88日と分かりましたので、1年(365日)後に体内に残存する134Csの放射線量は、最初の134Csの放射線量が3,000Bqですので、
 
 イメージ 5
 
の式で計算できます。放射線量は半減期に従って指数関数的に減少します。
ここで、
 
 イメージ 6
 
ですので、
 
 イメージ 7
 
となり、
 
 イメージ 8
 
より、
   イメージ 9
 
 イメージ 10
 
 イメージ 11
 
となります。
残存放射線量は93.75Bqよりも多く187.5Bqよりも少なくなることが分かります。
よって、選択肢の中で該当するものは170Bqになりますので正答は②です。
 
半減期Tの放射性核種の初期の放射能をA[Bq]とすると、時間tが経過した後の放射能
A'[Bq]は、
 
と表せることは必ず暗記しておきましょう。
本日の問題に関連する内容として以下の記事もあわせて読んで勉強して下さい。