放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

放射性核種と壊変系列

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
4月も後半になり、来週からはゴールデンウィークに入ります。
今年のゴールデンウィーク元号の変更に伴い10連休になる方もいるかと思います。日頃の学業、仕事の疲れを大いに癒して心身ともにリフレッシュして下さい。10連休など関係なく仕事の人は大変かとは思いますが、休養も取りつつ頑張って下さい。
 
10連休が貰える人は、もちろんしっかりと休養することも大切ですが、8月の試験までは3か月半に迫った時期でもあります。この長期休暇を上手に利用して連休中に「概論を読み終える」、「過去問題を1年間分解き終える」、「苦手分野を克服する」などの目標を立て有言実行で頑張って下さい。
 
放射線取扱主任者試験では、第一種、第二種問わず、多くの放射性核種が登場します。初めて放射線を学ぶ人にとっては、これらの核種に関して、原子記号はもちろん、質量数、同位体、壊変、半減期、エネルギーを暗記しなくてはならないことを大変に感じるかと思います。しかし、多くの核種を覚えていると試験でかなり有利になり得点できる問題も多くなります。
放射線概論と過去問題を勉強していると重要核種は何回も出てきますので、放射線概論と過去問題を何度も反復学習をしていくうちに自然と覚えていきますので大丈夫です。
 
さて、それでは核種に関する問題をひとつ。

問  
238Uはウラン系列に属する。次のうちウラン系列に属する核種はどれか。
228Ra
226Ra
225Ra
224Ra
223Ra

まずはウラン238238U)に関して同位体存在比と半減期はおさえておきましょう。
 
238U:同位体存在比 99.275% 半減期 45億年

そして、ウラン系列(238U系列)は必ず暗記しておかなくてはなりません。
238Uから始まり、234U、230Th、226Ra、222Rn、210Pb、210Bi、210Poなどを経て安定核種である206Pbで終わります。その間、α壊変を8回、β-壊変を6回繰り返します。
 238U(45億年) → 206Pb(安定)  α壊変8回 β-壊変6回

2018年度化学問1では、ウラン系列のα壊変とβ-壊変の回数を問う問題が出題されました。α壊変が8回、β-壊変が6回であることを知っていれば、正答が3であることはすぐに分かります。

ウラン系列(238U系列)に属する226Ra222Rn放射線取扱主任者試験でも重要核種ですので半減期もあわせて暗記しておきたいですね。
 226Ra:1600年 222Rn:3.8日

ということで、ウラン系列に属する核種は226Raになりますので、問題の正答は②となります。
暗記しておけば必ず得点できる問題です。
放射線取扱主任者試験では暗記することで得点できる問題がたくさんありますので必ず暗記すべきことはしっかりと暗記して1点でも多く得点していくことが合格につながっていきます。
あやふやな暗記が合否の別れ目になることをしっかりと覚えておいて下さい。

ウラン系列以外にも暗記しておかなくてはならない壊変系列として、トリウム系列(232Th)、ネプツニウム系列(237Np)、アクチニウム系列(235U)があります。

本ブログで以下の記事に記載していますので是非お読み下さい。

また、ウランに関しては238U以外にも235Uも重要核種です。必ず暗記しておきましょう。

壊変に関する問題は2018年度の物化生でも出題されました。
2018年度物化生問4Ⅰからの抜粋
天然に存在するAが205以上の核種は壊変系列を作っている。このうちA=4n+3(nは整数)で表される(F)アクチニウム系列は半減期が(G)7.04×108年でAが(H)235の核種から始まり、安定同位体207Pbで終わる。半減期(I)3.82日の222Rnは、天然壊変系列核種に属する希ガス同位体の中では最も長寿命で、A=4n+2で表される(J)ウラン系列に属し、大気中にα線放出核種として存在する。A=4n+1の系列核種の多くは地球年齢に比べて短寿命であり、地球生成時に存在していた核種は消滅している。ただし、最終安定核種(K)205Tlの親核種だけは、(L)α壊変する長半減期の核種であり、地球生成時から残存している。
多くの放射性核種や壊変系列を暗記することは大変ですので、過去問題を解きながら一つずつ覚えていきましょう。多くの過去問題を解くうちに試験で出題されやすい核種はだいたいは分かってきますので問題を解きながら自然と頭に入ってくると思います。