放射線取扱主任者試験に合格しよう!

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中性子発生に関する問題

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
3月も残すところあと数日…
来週月曜日からは4月、新しい年度のスタートです。そして、4月1日お昼ごろには新元号も発表されますので新しい時代の幕開けでもあります。
新時代第1回目の放射線取扱主任者試験に合格すれば、○○元年の日付の合格証書が貰えます。是非、新時代第1回目の合格証書を勝ち取って下さい。
余談ですが…新しい元号は何になるでしょうね?
「新」「生」「進」などの字が入りそうな…と思いつつも、私の勘はほとんど当たりませんので。
さて、本題に入って、今日は中性子発生に関する問題を解いてみましょう。

226Ra-Be線源、124Sb-Be線源の遮蔽には(1)線と(2)線に対する考慮が必要である。

中性子はすべての原子核の中で陽子と固く結合して安定な状態で存在しています。中性子を利用するため原子核外に遊離させるには、中性子の結合エネルギー以上の励起エネルギーを生成する原子核反応を利用します。
放射性核種が関与して中性子を発生させる原子核反応には、(α,n)反応、(γ,n)反応、核分裂反応があります。
 
(α,n)反応による中性子 210Po、226Ra、228Th、241Amなど
中性子の結合エネルギー以上の励起エネルギーをエネルギーの高いα粒子から容易に利用できるため、天然のα線放出核種である210Po、226Raなどから放出されるα線とBe(ベリリウム)から中性子線を作っています。これらから発生する中性子のエネルギースペクトルは複雑で1MeVから10MeVくらいまで幅広く分布しています。
 
 
 
 
 
(γ,n)反応による中性子源 24Na、88Y、124Sb、140Laなど
(γ,n)反応による中性子源には、2H(γ,n) 反応と9Be(γ,n) 反応に基づく中性子源があります。発生する中性子のエネルギーはγ線のエネルギーに依存するので、用途に応じて反応のしきい値以上のエネルギーを持つγ線源を選んで中性子を発生させます。
例えば、24Na、88Yから放出されるγ線を反応しきい値の低い重水素(D)やBeに照射させることで中性子線を作ることができます。
 
 イメージ 1
 
 イメージ 2
 
核分裂反応 
自発核分裂を伴って中性子を放出する放射性核種として252Cf線源があります。252Cfは、96.9%の確率でα壊変が起こり3.1%の確率で自発核分裂が起こります。1個の自発核分裂によりおよそ3.8個の中性子を放出し、そのエネルギーの平均値は約1MeVで、平均2-3MeVになります。
さて、問題の解答としては以下のようになります。
226Ra-Be線源、124Sb-Be線源の遮蔽には、(1)中性子線と(2)γ線に対する考慮が必要である。」
中性子の他にγ線も放出されるので取扱いには注意が必要になります。
210Po、226Ra、241Am、24Na、88Y、140La、252Cfなどの放射性核種は放射線取扱主任者試験でも非常に出題頻度が高い核種ですので重要事項は確実に暗記しておきましょう。