放射線取扱主任者試験に合格しよう!

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ヨウ素について

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は新聞に掲載されていた放射線に関する話題をひとつ掲載したいと思います。
web版では昨日、紙面では今朝の朝刊に掲載されていました。
原子力規制委員会は21日、原発事故で甲状腺被ばくを抑える安定ヨウ素剤の配布の方法の見直しに向け、有識者による検討チームを設置することを決めた。被ばくの影響の大きい若年者らへの優先的な配布などを議論し、来夏をめどにガイドラインを改正する見通し。
甲状腺被ばくは、原発事故の際に体内に取り込まれた放射性ヨウ素甲状腺に集まることで起こり、甲状腺がんを引き起こす可能性がある。予防的な措置として害が少ないヨウ素で事前に甲状腺を満たすため、安定ヨウ素剤が用いられる。
東京電力福島第1原発事故では、この安定ヨウ素剤があまり活用されなかったことから、規制委は2013年7月、配布や服用に関するガイドラインを策定。現在は、緊急時の配布が難しい原発5キロ圏の住民に対して自治体が事前配布することを原則としている。
また、世界保健機関(WHO)は昨年、安定ヨウ素剤の配布について、「発がんリスクの高い若い人を優先すべきだ」などとする指針をまとめている。検討チームは今後、WHOの指針の反映や自治体の配布手続きの簡略化などを議論する。規制委の更田豊志委員長は「しゃくし定規に当てはめるのではなく、最も守らなければいけない人に必要な防護策を適用するのが重要だ」とした。
ヨウ素放射線取扱主任者試験でも非常に出題頻度が高い重要核種です。
ヨウ素甲状腺に集積し、甲状腺がんを引き起こす可能性があることは放射線取扱主任者試験でも出題されています。また、放射性ヨウ素を吸入摂取する可能性がある場合には、予め安定ヨウ素を服用することで放射性ヨウ素甲状腺への集積を防ぐことができます。是非覚えておきましょう。
体内の甲状腺の場所が分からない方は、甲状腺がどこにあるかも知っておくと良いかと思います。

参考までに過去に試験で出題された例を掲載します。
平成24年第一種放射線取扱主任者試験生物問18からの抜粋
D 放射性ヨウ素吸入摂取の24時間後に安定ヨウ素剤を服用すれば、放射性ヨウ素甲状腺への集積はほぼ完全に抑制される。(誤)
平成28年第一種放射線取扱主任者試験生物問13からの抜粋
A 被ばく前の安定ヨウ素剤の内服により影響は軽減する。(正)
平成23年第一種放射線取扱主任者試験管理測定技術問5Ⅲからの抜粋
131Iを吸入した場合の体内汚染の除去には吸入後速やかに(Q)ヨウ化カリウムを投与することが有効である。」
平成24年第一種放射線取扱主任者試験管理測定技術問6Ⅲからの抜粋
「内部被ばくを低減するためには、放射性物質の摂取をなるべく少なくするとともに、万一摂取してしまった場合、体内からすばやく排除するための手段を講じることが重要である。放射性ヨウ素に対しては、薬剤として安定ヨウ素剤を予防的あるいは摂取後すみやかに投与すると効果が認められている。」