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平成30年度第一種試験問題について(生物)



【生物】
 放射線概論や過去問題を通して基本的なことをしっかりと覚えておけば合格圏の6割は十分得点できる問題です。出題もおおよそ全体から均等に出題されており、過去にもよく出題されている頻出問題や基本問題を中心に出題されていますので、過去問題をしっかり勉強して臨めば7割から8割は得点できる問題かと思います。

 問1は過去にも同様の問題が出題されています。核医学で用いられる核種は暗記しておきましょう。
 問2、問4は直接作用、間接作用の基本的なことを覚えておくことが大切です。
 問3の水の放射線照射も生物の試験ではよく出題されている分野です。関連する化学反応式も暗記しておきたいですね。
 問5、問6のDNA損傷は毎年必ず出題されています。修復方法、細胞周期や細胞生存率の図も合わせて覚えておきましょう。
 問7、問8の末梢血中の血球変化やアポトーシスも毎年よく出題されています。末梢血中の血球変化に関してはおおまかな図を自分で描けるようにしておくと役立ちます。
 問9の染色体異常に関する内容も問10の細胞周期や感受性と関連して覚えておきましょう。
 問11のSLD回復、PLD回復は久しぶりに出題されたような気がします。物化生でも出題される重要事項です。
 問12は生存率曲線では傾きや肩などと言った用語、D0、Dqなどの意味も理解しておきましょう。
 問13のセルトリ細胞やテストステロンなどは近年の生物の試験ではほとんど出題されたことのない用語だと思います。これらの用語を知らなくても消去法で正答にたどりつけるのではと思います。
 問14の皮膚障害はよく出題される分野ですので大まかなしきい線量と障害の関係を覚えておきたいですね。
 問15の組織加重係数は基本問題です。必ず暗記しておきたい事項です。
 問16は線量と発症時間を暗記しておかなくてはならず、難しい問題かと思います。
 問17、問18はリスクに関する問題です。絶対リスク、相対リスク、また過剰が付いた場合など定義をしっかり覚えておきましょう。2018年度は物化生でも簡単な計算問題が出題されています。
 問19、問20は確率的影響や確定的影響、また遺伝的影響や晩発障害の問題で、これもよく出題されている分野です。定義等をしっかり覚えておきましょう。
 問21は問12の生存率曲線の傾き、肩などと合わせてα/βの意味やおおまかな値も覚えておきたいですね。
 問22は自然放射線に関する問題です。2018年度は管理測定技術でも出題されています。なかなか全ての数値を覚えるのは大変ですが、日本における2.1mSvの内訳は覚えておきたいですね。
 問23は計算問題です。例年、生物の計算問題は物理的半減期、生物学的半減期、有効半減期のどれかを求める問題がほとんどですが、このような問題は生物ではあまり見たことがありません。2018年度の物理問8と考え方は同じです。2012年度の化学問1も考え方は同じです。難しかったかもしれません。
 問24は胎内被ばくに関する問題です。2018年度は物化生でも出題されています。
 問25、問26は遺伝的影響に関する問題です。確率的影響や確定的影響、問19の倍加線量と合わせて覚えておきましょう。
 問27のLETに関しては定義を覚えておきましょう。1MeVと100keVの電子線のLETの大小で迷ったかもしれません。
 問28のRBEは毎年出題されていますね。過去問題を解いておけば間違えることはないでしょう。
 問29の粒子線に関してはブラッグ曲線やがん治療と合わせて覚えておきましょう。
 問30の輸血用血液に関しては過去問題で数回出題されていますので、勉強していた方は正答できたかと思います。