放射線取扱主任者試験に合格しよう!

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平成30年度第一種試験問題について(化学)



【化学】
 難易度は例年並みかと思います。
 放射線概論の全ての分野から概ね出題されており、周期表、公式、核種、気体発生など基本的なことを覚えておけば合格圏の6割は得点できる問題かと思います。

 問1、問5は壊変系列の問題です。暗記しておけば得点できる問題です。問1はほとんど同じ問題が過去に出題されています。
 問2、問3、問4と計算問題が続いていますが、問2、問4は得点したい問題です。問4は過去にもよく出題されている基本的な化学反応式に関する計算問題です。化学反応式を書くことができモル量の計算が理解できていれば解ける問題です。問3のトリチウム単位(TU)に関する問題は放射線取扱主任者試験ではあまり出題されたことがありませんが、ゆっくり考えれば難しい問題ではありません。2015年の技術士1次試験とほぼ同一の問題です。TUに関しては放射線概論にも少し記載があります。
 問6は放射平衡の問題ですが、半減期を知っておく必要がありますので少し迷ったかもしれません。
 問7から問10は核反応に関する問題ですが、問7、問8、問10は基本問題です。問9は少し迷ったかもしれません。
 問11、問12は周期表に関する問題です。問12のBeが宇宙線生成核種であり、単核種元素であることは覚えておきたいことです。問15が単核種元素に関する問題です。
 問13は、151Eu が10^18という非常に長い半減期を持つことが判明し151Euが安定同位体ではないのでアクチバブルトレーサーとしては不適切との考えもあるかもしれません。ここまで長い半減期は安定といってもいように思いますが…選択肢AとBが明らかに誤りですので正答は分かると思います。
 問16は物理の試験でよく出題されています。基本問題です。
 問18は気体発生の問題ですが、硫化水素が気体として発生することを知って入れば容易に正答は選べます。
 問20の有機化合物の標識における放射能を求める問題は過去にも類似の問題が出題されています。
 問21は放射化学純度や核種純度に関する計算問題ですが、久しぶりに出題されたように思います。放射化学純度と核種純度の用語の定義を覚えておけば解ける問題です。
 問22はラジオイムノアッセイアイソトープ誘導体法に関する問題です。原理を理解しておきたいですね。
 問23は同位体希釈法に関する問題です。過去問題にほぼ同一の問題があります。
 問24の14Cを用いた年代測定法に関する問題は物化生でよく出題されています。
 問26、問27は放射線利用に関する問題です。毎年出題されていますので確実に覚えておきたい事項です。問27に出題されているように厚さ計に関してはβ線γ線のエネルギーの値も一緒に覚えておきましょう。
 問28は放射線の産業利用に関する問題です。第1種よりはむしろ第2種試験の過去問題でよく出題されています。
 問29はフリッケ線量計、セリウム線量計の問題です。基本問題です。
 問30はG値、W値に関する問題です。少し迷ったかもしれません。

 過去問題に類似する問題が多く出題されています。計算問題は6問出題されていますが、公式をしっかりと暗記しておけば半分以上は解けたかと思います。全ての教科に共通することですが、計算問題が苦手な人は暗記すべきことを確実に覚えて暗記問題で得点することを心がけましょう。