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半導体検出器

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
昨日の記事を読んで、改めて合格への気持ちを奮い立たせ、これからの試験までの日々を頑張ってもらえたら嬉しく思います。

本日の記事も「そのまま暗記集」です。
先週はNaI(Tl)シンチレーション検出器、GM計数管に関して重要事項を書きましたので、今日は半導体検出器について暗記しましょう。
半導体検出器は、種々の放射線のエネルギー測定や放射能測定に広く使用されている極めて重要な検出器の一つです。
半導体検出器も放射線取扱主任者試験では非常に出題頻度の高い検出器です。

半導体検出器に使用される半導体物質では、絶縁物に比べてそのエネルギーバンド構造における禁止帯の幅が狭く、代表的な半導体物質のシリコンやゲルマニウムでは約1eVです。また、電子-正孔対の形成に必要な平均エネルギー(ε値)はゲルマニウムで約3eVです。このため、同じ放射線が入射しても気体より電荷キャリアが多く生成されることから、気体検出器に比べてエネルギー分解能に優れた検出器となります。
純度が極めて高い半導体物質に微量の不純物原子を添加して、電荷キャリアに寄与する新たなエネルギー準位を与えることができます。この添加した原子がホウ素、アルミニウムなどの場合、電子のアクセプタとして働きp型半導体となります。また、リン、ヒ素などの場合には、電子のドナーとなりn型半導体となります。このn型とp型の半導体を用いてダイオード構造を形成し、逆方向に電圧を印加すると、電荷キャリアが存在しない空乏層が生じ、この部分に放射線が入射すると電荷が生成し電離電流を取り出すことができます。

半導体検出器の特徴
・生成した電子-正孔対の両方を電気信号として利用
・電子-正孔対1個生成するのに必要な平均エネルギーε値 Ge:3eV、Si:3.6eV
 (気体検出器の電子-イオン対1個を生成するのに必要な平均エネルギーはW値)
   He:41eV > 空気:34eV > Ar:26eV
半導体検出器の電子-正孔対1個生成するのに必要な平均エネルギーは、気体検出

 器の気体の電子-イオン対1個を生成するのに必要な平均エネルギーの1/10程度
 同じエネルギーの放射線では気体に比べて10倍の一次電離が発生するため統計的

 なばらつきも少なく、ガス増幅がないにもかかわらずエネルギー分解能が高い
半導体検出器は直接電気信号を取り出せるため、光を電気信号に変換する光電子増
 倍管は必要としない
・Ge検出器で測定可能なγ線は50keV以上
 広領域型では数keV程度の低エネルギーX線まで可能
・Si(Li)半導体検出器は50keV以下のβ線や低エネルギーX線(数keVから20keV)のエ
 ネルギー測定(核種同定)が可能
α線のエネルギー測定(核種同定)は表面障壁型Si半導体検出器

半導体検出器に関しては、
 禁止帯 伝導帯 ゲルマニウム シリコン 電子-正孔対 ε値 

 エネルギー分解能 ドナー アクセプター
などのキーワードを抑えておきましょう。

以下の記事も是非参考にして下さい。
 半導体検出器