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235Uの核分裂に関する問題

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

ウランの核分裂に関する記事は、このブログでも2月14日にウランについてと題して紹介していますが、熱中性子による235Uの核分裂に関する問題は化学で非常によく出題されています。
過去問題を解いておけば確実に得点できますのでしっかりと過去問題で勉強して下さい。平成28年度の化学でも問9や問12で出題されています。
 
第7版放射線概論の5章の章末の演習問題問3(P.170)でも類題があります。

問3 熱中性子による235Uの核分裂において, 生成物の収率曲線は2つのピークをもつ. このピークに最も近い核種の組合せは, 次のうちどれか.
 1  106Ru, 128Sn 2  115Cd, 119Sn 3  85Kr, 149Sm 4  100Mo, 134Xe 5  77Se, 157Eu

中性子による235Uの核分裂で生成する核分裂片の質量数は同じではなく、軽い核分裂片は質量数90-100付近に、また重い核分裂片では質量数133-140付近に核分裂収率のピークがあります。ピーク付近の収率はおよそ7%程度になります。
よって、上の問題では2つの核種が質量数90-100付近と質量数133-140付近にある組合せは4となります。
 
余談ですが、核分裂生成物のうち大きな中性子吸収断面積を持つものは原子炉の運転に重要な影響を与えるため毒物と呼ばれています。代表的な毒物としては135Xeと149Smがあります。
135Xeは235Uの核分裂で生成した135Iのβ壊変により生成しますが、235Uの核分裂でも0.3%ほどは直接生成します。
149Smは235Uの核分裂では直接は生成せず、235Uの核分裂で生成した149Ndがβ壊変して生成した149Pmがさらにβ壊変することで生成します。
これらのことは放射線取扱主任者試験では不要ですので覚える必要はありません。
 
235Uの熱中性子による核分裂反応の収率曲線は、このブログのウランについての記事でも掲載していますし、また第7版放射線概論のP.70にも載っていますが下図のようになります。
 
イメージ 1
 
大まかな図は自分で書けるようにしておきましょう。
 2つの極大値をとる質量数(90-100付近と133-140付近)とその収率(7%程度)、1つの極小値をとる質量数(110-120付近)その収率(0.01%程度)は覚えておくと良いでしょう。
 
平成17年度化学問13
平成18年度化学問11,16
平成20年度化学問16
平成21年度化学問9,16
平成22年度化学問11
平成23年度化学問11,19
平成24年度化学問13,18
平成27年度化学問3
平成28年度化学問9,12