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自然放射線の年間実効線量

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は自然放射線に関する記事を書きたいと思います。
自然放射線被ばくなどに関する問題では、最近の過去問題と少し以前の過去問題とでは解答するときの選択肢の正誤に迷う問題があります。
自然放射線被ばくなどは自然に由来する数値ですので、年々刻々と変化している値もあることは事実だと思います。数値を覚える際には可能な限り新しいデータで覚えてた方が良いということです。試験問題はそれなりに精査されているかと思いますので、近年の過去問題の解答でしっかりと勉強することが良いかと思います。
 
平成25年の生物の問題を見てみますと、
問20に日本における自然放射線の年間実効線量に関する問題が出題されています。
選択肢Aに「年間実効線量は2.1mSvと推定されている」とあります。
 
少し前のデータでは、日本における自然放射線の年間実効線量は1.5mSv程度、世界平均は2.4mSvくらい・・・と書かれています。
日本と世界の線量の違いは建築様式の違いで、日本ではラドン、トロンなどによる吸入が少ないためと書かれています。
 
このブログの「役に立つリンク集」にも紹介しています高エネルギー加速器研究機構発行の「放射線豆知識 暮らしの中の放射線」冊子のP.41には1.4mSvと書かれてあります(1988年10月推定値となっていますが・・・)
また、東京都立産業技術研究センター発行の「放射線・放射能の基礎と測定の実際」冊子のP.56には1.5mSvとなっています。
 
通商産業研究社の放射線取扱主任者試験問題集の平成18年生物問23の解説においても年間1.5mSv程度と記載されています。
しかし、平成25年生物問20の選択肢Aの2.1mSvは正解となっています。
上述の2冊子は初めて放射線を勉強される方などにとっては良い冊子だと思います。
ただ、自然放射線被ばくなどは変化している値でもありますので最新のデータを調べた方が良いということも事実です。
平成25年生物問20でも出題されている自然放射線による被ばくについては以下のページに最新のデータが記載されていますのでご覧下さい。
   放射線被ばくの早見図 
 
以前、このブログでも読者の方にご指摘頂きましたが、
壊変系列をつくる放射性核種の中のネプツニウム系列の最終元素が、以前の放射線概論などではビスマス(209Bi)と記載されていましたが、現在ではタリウム(205Tl)になっています。(以下の記事参照)
 
また、法規に関しても同様のことが言えます。
法規は法改正と共に変わって行きますので、少し前の参考書や過去問題の情報が現在と異なることもありますので、できる限り新しい本、また近年の過去問題の正答で勉強しておいた方が良いかと思います。
ただ、あまり神経質になりすぎる必要はありません。
自然由来の数値や法規など少し前と現在で情報と異なっているものはごく僅かだと思いますので、可能な限りできる範囲内で良いかと思います。
本番の試験では100点を取る必要はありません。
細かいことを気にし過ぎて勉強がなかなか進まないよりも、基本的な問題や重要な問題をしっかりと得点できるように勉強することの方が大切かと思います。