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フルエンス

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日はフルエンスについての記事を紹介したいと思います。
 
昨年度(平成28年度)の物理問29でもフルエンスに関連する問題が出題されています。
平成24年度の物化生の試験では、問2Ⅱで137Csの壊変の問題でフルエンスに関連する出題があります。この問題は平成22年度物化生問1Ⅲとかなり酷似している問題です。
参考までに以下の137Csの壊変は必ず暗記しておかなくてはならない壊変ですね。
 
 イメージ 7
 
これらの問題を解くにはフルエンスについて知っておく必要があります。
○粒子フルエンス [個/m2] : 単位面積を通過する粒子数
○フルエンス率[個/m2/s]  : 単位時間当たりの粒子フルエンス
○エネルギーフルエンス[J/m2] : 単位面積を通過する放射線のエネルギー量
○エネルギーフルエンス率[J/m2/s] : 単位時間当たりのエネルギーフルエンス
 
平成24年度物化生問2Ⅱを例にとって考えますと、
まず137Csの点線源から放出される光子の粒子数を(イ)で求め、0.5m離れた位置でのフルエンス率を求めた後、エネルギーフルエンス率を(ウ)で求めるようにしています。そして、最終的には137Csの点線源から放出される光子の空気に対する吸収線量を(エ)で求めるようになっています。
137Csから放出される光子数は平成21年度物理問10にも出題されています)
 
フルエンス率[個/m2/s]は単位時間当たりの粒子フルエンスであるため、
例えば、137Csの点線源から放出される光子の数をQ[個/s]とすると、点線源からr[m]離れた位置におけるフルエンス率[個/m2/s]は半径r[m]の球の中心に点線源があるのと同じと考えられるので、点線源から放射状に放出される光子の数Q[個/s]を球の表面積で割った値がフルエンス率[個/m2/s]になります。
すなわち、フルエンス率[個/m2/s]は以下の式で表されます。
 イメージ 1

球の表面積は、みなさんよく知っていますように イメージ 2 ですね。
ちなみに球の表面積は球の体積を半径rで微分したものになります。
 球の体積  イメージ 3
 
 球の表面積 イメージ 4
 
直感的に半径がΔr増加したときの体積の変化量が表面積になることからも分かります。
 
フルエンス率[個/m2/s]に光子のエネルギーを乗じたものがエネルギーフルエンス率となります。
平成24年度物化生問2Ⅱでは(イ)及び(ウ)は何とか計算できますが、(エ)に関しては実際の試験では計算量が大変ですのでまずは飛ばして、時間が余ったら解く程度の考えでよいのではないかと思います。

平成28年度物理問29ではβ線の点線源からの吸収線量を求める問題です。
点線源からβ線放射線状に放出されるので、10cm離れた位置では半径10cmの球の中心から放出されるβ線が表面積に相当する面積に放射されると考えることができます。
考え方は平成24年度物化生問2Ⅱと同じです。

エネルギーフルエンス率を求める場合は、単位に注意してください。
通常、137Csなどの核種のエネルギーは[keV]や[MeV]で表されますが、吸収線量などの単位では[J]で表さねばなりません。
 
 吸収線量の単位 イメージ 5
 
[keV]や[MeV]を[J]に変換するためには以下の関係を使用します。
 
 イメージ 6

このことも是非覚えておいてください。
 
実際の試験では、電卓が使用できませんので、計算問題に関しては解ける問題を見極めることも重要になってきます。限られた時間内で6割に到達できるようにするためにも日頃の勉強で時間を測りながら過去問題を解き対策を立てておいてください。
物化生、管理測定技術の試験では計算量が多くなると時間が必ず足りなくなります。解ける問題をしっかりと得点できるように常日頃の勉強で意識することが大切です。