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フェザー法

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日はフェザー法についての記事を紹介したいと思います。
フェザー法については管理測定技術の試験で時々出題されていますので、基本的なことは覚えておきましょう。第7版放射線概論ではP.345に記述されています。
 
連続スペクトルであるβ線の最大エネルギーを求める方法として吸収曲線を利用する方法があります。これはフェザー法と呼ばれています。

線源から放出されるβ線に対して、物質をβ線の入射方向に垂直に入れると、物質を透過するβ線の数は物質の厚さが増していくに従って指数関数的に減少します。
透過するβ線の数がゼロになる厚さがこのβ線のその物質における最大飛程と考えることができます。最大飛程は厚さを [g/cm2] の単位で表せば、任意の物質についてほぼ同じぐらいの値になることが知られています。
物体の厚さに対するβ線の計数率を測定して描いた図を吸収曲線と呼びます。
一般的には後方散乱が起こりにくいアルミニウムが物質として使用されます。

β線の吸収曲線はGM計数管の種類や線源と計数管の距離、線源の形状、吸収体の種類などといった計数管の線源に対する幾何学的形状で異なるため、フェザー法では未知試料と同一条件で測定した標準試料の吸収曲線が必要となります。また、線源の下に置いた支持台によるβ線の計数率を測定し,飽和後方散乱係数を求める必要もあります。
(第7版放射線概論P.346-347)
 
吸収曲線から最大飛程が分かれば、以下の式(フェザーの式)からβ線の最大エネルギーを知ることができます。

β線のアルミニウム中での最大飛程[g/cm2]
 
 イメージ 1
 
 イメージ 2
 
また、β線の遮へいを見積もる場合は以下の近似式でよいと言われています。
 
 イメージ 3
 
参考までにα線の空気中での飛程[cm]も必ず暗記しておきましょう。
 
 イメージ 4
 
α線のエネルギーは4-8MeV程度なので、空気中での飛程は数cmとなります。
例えば、α線のエネルギーが5Mevのとき、飛程は3.6cm
    α線のエネルギーが6.3Mevのとき、飛程は5cm
 
平成17年度管理測定技術問4
平成18年度物化生問4Ⅱ
平成21年度管理測定技術問1Ⅱ
平成25年度管理測定技術問4Ⅰ