ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は外部被ばく線量の個人モニタリングに使用される代表的な線量計についての記事を紹介したいと思います。
線量計の名前、簡単な特徴は是非暗記しておきましょう。
原子力百科事典ATOMICAにも参考になる記事が掲載されていますので是非読んでみて下さい。個人線量計 (09-04-03-03)
○蛍光ガラス線量計
Ag活性リン酸塩ガラスが放射線に照射された後、紫外線で刺激すると光を発する現象を利用したもので、放射線被ばくで生じた蛍光中心は読取り操作によって消滅することがなく何回でも繰り返し読取ることができ積算線量計として利用できる。
・X,γ線
・Ag活性リン酸塩ガラス
・フェーディング(退行)が極めて小さい
・熱で消去し再利用可能
Ag活性リン酸塩ガラスが放射線に照射された後、紫外線で刺激すると光を発する現象を利用したもので、放射線被ばくで生じた蛍光中心は読取り操作によって消滅することがなく何回でも繰り返し読取ることができ積算線量計として利用できる。
・X,γ線
・Ag活性リン酸塩ガラス
・フェーディング(退行)が極めて小さい
・熱で消去し再利用可能
○熱蛍光線量計(TLD)
熱蛍光物質が放射線に照射された後、加熱されると光を発する現象を利用したもので、素子に蓄積されたエネルギーは読取り操作による加熱で光となって放出される(アニールされる)ため、読取り後は記録が消失し再読取りできない。一回の測定で積算線量に係る情報が消失してしまう。
加熱した後に結晶がもとに戻るため何度でも再利用可能である。
・X,γ,β,熱中性子(6Li(n, α)3H)
・CaSO4,LiFを主材料
・グローカーブ(温度と蛍光曲線の関係)
・リングバッチ(手・指の被ばく線量測定に利用)
・熱中性子測定にはLiF利用(6LiFは有感、7LiFは無感)
・速中性子測定:アルベド線量計
(身体に入射した速中性子が水素で熱中性子に減速されたものを6Li(n, α)3Hで測定)
熱蛍光物質が放射線に照射された後、加熱されると光を発する現象を利用したもので、素子に蓄積されたエネルギーは読取り操作による加熱で光となって放出される(アニールされる)ため、読取り後は記録が消失し再読取りできない。一回の測定で積算線量に係る情報が消失してしまう。
加熱した後に結晶がもとに戻るため何度でも再利用可能である。
・X,γ,β,熱中性子(6Li(n, α)3H)
・CaSO4,LiFを主材料
・グローカーブ(温度と蛍光曲線の関係)
・リングバッチ(手・指の被ばく線量測定に利用)
・熱中性子測定にはLiF利用(6LiFは有感、7LiFは無感)
・速中性子測定:アルベド線量計
(身体に入射した速中性子が水素で熱中性子に減速されたものを6Li(n, α)3Hで測定)
その他、参考としてイメージングプレートについても掲載します。
○IP(イメージングプレート)
・X,γ,α,βが測定可能
・輝尽性発光(輝尽性蛍光体:BaFBr:Eu2+、BaFI:Eu2+を使用)
・増幅器として光電子増倍管使用
・写真フィルムが2桁の感度であるのに対し、IPは4-5桁の感度
・可視光線(Ne-Heレーザ)で読み取る
・フェーディング(退行)は24hで60%と大きい
・X,γ,α,βが測定可能
・輝尽性発光(輝尽性蛍光体:BaFBr:Eu2+、BaFI:Eu2+を使用)
・増幅器として光電子増倍管使用
・写真フィルムが2桁の感度であるのに対し、IPは4-5桁の感度
・可視光線(Ne-Heレーザ)で読み取る
・フェーディング(退行)は24hで60%と大きい
平成20年度管理測定技術問1Ⅱの問題を掲載します。
「外部被ばく線量の個人モニタリングにおいては、人体に装着して一定期間の被ばく線量を評価するため、一般的に小型で(A)積分型の線量計が用いられる。これらの線量計には測定原理の違いにより、以下のような様々な特性がある。
(イ)蛍光ガラス線量計は、γ線やX線で生じた(B)蛍光中心に紫外線レーザーをパルス照射することにより、被ばく線量の情報を繰り返し読み取ることができる。この線量計は(C)熱アニーリングにより情報を消去して、再利用が可能である。(ロ)OSL線量計では、酸化アルミニウムを素子の主材料とし、可視光を照射して生じる(D)輝尽発光を読み取ることにより線量を測定する。これらの線量計は、従来用いられてきた臭化銀の感光作用を利用したフィルムバッジに比べ、(E)退行現象が極めて起こりにくい。(ハ)TLDは、硫酸カルシウム、フッ化リチウムなどを素子の主材料とし、素子を加熱することで生じる蛍光を読み取ることにより、線量を測定する線量計である。
一方、電子式ポケット線量計は、小型のGM計数管や(ニ)Si半導体検出器を検出部に用い、上記の線量計と異なり(F)直読式の線量計として便利であるが、定期的に電池を充電・交換することなどが必要となる。」
(イ)蛍光ガラス線量計は、γ線やX線で生じた(B)蛍光中心に紫外線レーザーをパルス照射することにより、被ばく線量の情報を繰り返し読み取ることができる。この線量計は(C)熱アニーリングにより情報を消去して、再利用が可能である。(ロ)OSL線量計では、酸化アルミニウムを素子の主材料とし、可視光を照射して生じる(D)輝尽発光を読み取ることにより線量を測定する。これらの線量計は、従来用いられてきた臭化銀の感光作用を利用したフィルムバッジに比べ、(E)退行現象が極めて起こりにくい。(ハ)TLDは、硫酸カルシウム、フッ化リチウムなどを素子の主材料とし、素子を加熱することで生じる蛍光を読み取ることにより、線量を測定する線量計である。
一方、電子式ポケット線量計は、小型のGM計数管や(ニ)Si半導体検出器を検出部に用い、上記の線量計と異なり(F)直読式の線量計として便利であるが、定期的に電池を充電・交換することなどが必要となる。」
平成17年度物理25
平成18年度物理29
平成18年度管理測定技術問5Ⅰ
平成20年度管理測定技術問1Ⅱ
平成21年度物理28
平成21年度管理測定技術問3Ⅰ
平成22年度物理29
平成23年度物理30
平成24年度物理29
平成25年度物理25
平成26年度管理測定技術問5Ⅱ
平成28年度管理測定技術問1Ⅱ
平成18年度物理29
平成18年度管理測定技術問5Ⅰ
平成20年度管理測定技術問1Ⅱ
平成21年度物理28
平成21年度管理測定技術問3Ⅰ
平成22年度物理29
平成23年度物理30
平成24年度物理29
平成25年度物理25
平成26年度管理測定技術問5Ⅱ
平成28年度管理測定技術問1Ⅱ
平成30年度物理問28,29
個人線量計に関しては、第2種試験の管理技術Ⅰ、管理技術Ⅱでは非常によく出題されています。是非解いておきましょう。