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GM計数管

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
昨日は半導体検出器についての記事を紹介いたしましたが、今日はGM計数管に関する記事を紹介したいと思います。
GM計数管に関する問題は物理及び管理測定技術の試験で非常によく出題されています。物理の試験では計算問題も出題されていますので基本事項は必ず覚えて下さい。

GM計数管は気体検出器で放電現象を利用しています。
放射線により気体中で発生した電子やイオンは、ガス分子と衝突しながら正または負の電極に引き寄せられ、電子は衝突の合間に強く加速され、次の衝突の際にガス分子を電離して新たに電子-イオン対を生成します。これを電子なだれと呼んでいます。
 
電子-イオン対数が増幅され、パルス波高が大きくなることをガス増幅といいます。
GM計数管ではガス増幅が極めて大きく、電子なだれは芯線全体を覆います。電子に比べて移動速度の遅い陽イオンによって芯線全体がさやのように覆われ、電場強度が落ちてしまうためクエンチングガス(内部消滅ガス)でガス増幅を抑えています。
クエンチングガスには有機ガスやハロゲンを使用し、分解することで作用しています。
 
GM計数管で使用するガスはQガス(He+イソブタン)を利用しています。
GHQGM ヘリウム Qガス)と覚えましょう)
ちなみに比例計数管ではPRガス(Ar+メタン)または純粋なメタンを利用しています。
(PM AM(P:proportional(比例)、M(メタン)、A(Ar))と覚えましょう)
 
GM計数管の特徴
・放電現象に基づく検出器である
・パルス高は初期の発生した電子-イオン対に無関係で一定であるためエネルギー測
 定はできない
γ線β線の測定に適した検出器である
・分解時間が大きい(100μs程度)ため高線量場では窒息現象に注意が必要である
GM領域ではガス増幅が大きいので増幅器は不要である
・ガス増幅が大きく芯線が陽イオンで覆われ電場強度が下がることを防ぐためクエン
 チングガス(内部消滅ガス)として計数ガスにハロゲンガスや有機ガスを加える。
 クエンチングガスは分解することで作用する
・計数ガスにはQガスと呼ばれるHeとイソブタンの混合ガスを用いる。
 
数え落としの割合(誤差)=n×τ(n:実測カウント、τ:分解時間)
 数え落としの割合(誤差)とは正味のカウント数(n0)から実測カウント(n)を引い
 たものを正味のカウントで除したもの
  数え落としの割合(誤差)
     =(正味のカウント数(n0)-実測カウント(n))/正味のカウント数(n0)
 
  
 
 数え落としの割合(誤差)が実測カウント(n)と分解時間(τ)の積で表されることは
 覚えておきましょう。
 この式を知っておくと平成17年度物理問28、平成20年度物理問29、平成27年度物
 理問28などは簡単に解けます。
 (実測カウントの単位と分解時間の単位は統一することを忘れないように)
  
正味のカウント数
  (nは1秒間の実測カウント数、τは分解時間)
 
 この式は数え落としの割合(誤差)の式から正味のカウント数(n0)について解けば
 導くことができます。
 数え落としの割合(誤差)の式、正味のカウント数(n0)の式は暗記して下さい。
 (平成21年度物理問26)

平成17年度物理問26,28
平成17年度管理測定技術問4
平成18年度物理問25
平成19年度物理問27
平成20年度物理問28,29
平成20年度管理測定技術問1Ⅰ,問2Ⅲ
平成21年度物理問26,30
平成21年度管理測定技術問1Ⅱ
平成22年度物理問26
平成23年度物理問26
平成23年度管理測定技術問1
平成24年度物理問30
平成24年度管理測定技術問1Ⅱ
平成25年度物理問25,29,30
平成25年度管理測定技術問4Ⅰ
平成26年度物理問29
平成26年度管理測定技術問2Ⅲ,Ⅳ
平成27年度物理問28
平成27年度管理測定技術問4Ⅰ
平成28年度物理問27,30
平成28年度管理測定技術問1Ⅰ 
平成29年度物理問27,28
平成30年度物理問23,27