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半導体検出器

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は半導体検出器についての記事を紹介したいと思います。

半導体とは電気を通しやすい「導体」と電気を通さない「絶縁体」との中間の性質を持つ物質のことを言います。エネルギーを与えることで電気が流れやすくなります。
半導体検出器を学ぶ上で、価電子、価電子帯、伝導体、バンドギャップ、空乏層、正孔などの専門用語が出てきます。実際の試験でも平成25年度物理問21や平成22年度管理測定技術問2Ⅱ、平成26年度管理測定技術問1などで出題されています。
これらの用語については過去問題を解きながら是非自分でも調べて覚えていくようにして下さい。
 
半導体検出器に関しては、物理の試験では基本的な特徴などについて、管理測定技術の試験では実際に半導体検出器を用いて測定する場合のスペクトルの読み方や校正などについての問題が多いように思います。

半導体検出器の特徴
・電気が流れない方向(逆方向)に電圧をかけることで伝導帯には電子が存在せず、
 電気抵抗が大きな領域ができます。この領域を空乏層といい、この空乏層に荷電粒
 子が通過すると価電子帯の電子にエネルギーが与えられ、伝導帯に持ち上げられ自
 由電子が生成します。このとき価電子帯には正孔が生成します。
・生成した電子-正孔対の両方を電気信号として利用しています。
・電子-正孔対1個生成するのに必要な平均エネルギーε値は Ge:3eV、Si:3.6eV
半導体検出器の電子-正孔対1個生成するのに必要な平均エネルギーは、気体検出
 器の気体の電子-イオン対1個を生成するのに必要な平均エネルギーのおよそ1/10
 程度といわれています。
 気体検出器の電子-イオン対1個を生成するのに必要な平均エネルギーはW値であ
 り、 He:41eV > 空気:34eV > Ar:26eV
 (W値、ε値の記事 参照)
半導体検出器では、同じエネルギーの放射線では気体検出器に比べておよそ10倍
 の一次電離が発生するため統計的なばらつきも少なくなり、ガス増幅がないにも
 かか わらずエネルギー分解能が非常に高くなります。
                      (平成28年度物理問28参照)
 Ge半導体検出器:0.2% NaI(Tl)シンチレーション検出器:6%
 (日本アイソトープ協会 放射線取扱の基礎P.298)
半導体検出器は直接電気信号を取り出せるため、光を電気信号に変換する光電子増
 倍管は必要としません。
 
放射線測定器に関しては、物理、化学、管理測定技術の試験で必ず出題されます。
是非重要事項は覚えておきましょう。

平成17年度物理問25
平成17年度管理測定技術問3
平成18年度物理問28,30
平成19年度物理問7,27,30
平成19年度管理測定技術問2
平成20年度物理問26,28
平成20年度管理測定技術問4Ⅰ
平成21年度物理問28
平成21年度管理測定技術問1Ⅰ
平成22年度管理測定技術問2Ⅱ
平成23年度物理問15,25
平成24年度物理問24,27,29
平成25年度物理問21,25
平成25年度管理測定技術問1,問4Ⅳ
平成26年度物理問23,27
平成26年度管理測定技術問1,問3Ⅰ
平成27年度物理問29
平成27年度管理測定技術問2
平成28年度物理問26,28
平成28年度管理測定技術問2Ⅰ
平成29年度管理測定技術問1Ⅰ,Ⅱ