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ホットアトムの反跳エネルギー

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
2月も最終日を迎えました。本当に早いですね。
2回にわたりホットアトムに関する記事を紹介してきましたが、今日はホットアトムの反跳エネルギーEγ[eV]についてもう少し詳しく紹介してみたいと思います。

反跳原子の質量数をM、γ線のエネルギーをE[MeV]とすると、ホットアトムの反跳エネルギーEγ[eV]は、
 
 イメージ 1
 
で表されえることは2月24日の記事「ホットアトム①」で触れました。

この式は、以下のように考えると覚えやすいかもしれません。
運動量Pは、
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また、エネルギーEは、
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これらの式は、第7版放射線概論では初め「1.予備知識」に記載されています。
このブログの最初の頃に、「1.予備知識」の章は分からなくてもいいのでさらっと流しましょうと書いた記憶がありますが、上式は基本的な式でもあるため覚えていた方が良いでしょう。

上述の2式から運動量mvは以下のように書き換えることができます。
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よって、生成核種の運動エネルギー(反跳エネルギー)Eγは、
  イメージ 5

炭素の12Cの質量を原子質量単位uを用いて12uと表します。すなわち、炭素12Cの質量の1/12が1uになります。
原子質量単位に関しては、本ブログでも11月7日の記事11月9日の記事1月10日の記事などで紹介しています。

エネルギーに換算すると、1原子質量単位(1u)の静止エネルギーは、
 イメージ 6
なので、
質量数がMの原子の静止エネルギーは、
 
イメージ 7
となります。
よって、
 イメージ 8

   イメージ 9

単位を[MeV]から[eV]に直すと、
 イメージ 10

になります。
このことを覚えておくと、平成19年度の物理問11が解けると思います。
平成30年度物化生問1Ⅰ(ウ)では60Coのγ線放出時に原子核が受ける反跳エネルギーを求める問題が出題されています。
 
平成19年度物理問11
平成26年度物化生問1Ⅱ
平成30年度物化生問1Ⅰ