昨日、一昨日と試験で知っておきたい数学の知識について書いています。
今日も少しその続きについて書きたいと思います。
一昨日、放射能は経過時間とともに指数関数的に減少し、その減少は以下の式で表せることを書きました。
ここで、半減期Tはある時点での放射能がその放射能の1/2になるのまでに要する時間になることも一昨日書きました。
今日は少し難しくなるかもしれませんが、
この「放射能の経時変化を表すグラフにおいて面積を求める計算方法」について書きたいと思います。
「面積をなぜ求める必要があるのか?」と思うかもしれませんが、
縦軸を放射能[Bq]とした場合、面積は経過した時間内全てにおいて寄与した放射能に相当し、また縦軸をカウント[cpm]とした場合には、面積は経過した時間内全てにおいてかカウントされた放射線の計数に相当します。
過去の放射線主任者試験では、
平成18年度化学問4
平成19年度化学問11
平成24年度化学問1
などではこの面積を求める計算が必要となります。
では、実際にどうやって計算するかを書きたいと思います。
難しくなってしまうかもしれませんが、積分を使用します。
例えば、下図の赤斜線の部分の面積を求めてみましょう。
上述しました「放射能の経過時間を表す指数関数」を時間を表すx軸で0から半減期のTまでの間を積分します。
面積Sは
ここで、私個人的には、積分は指数関数の場合1/2よりも自然対数の底であるeの方が計算しやすいと思っています。
そこで、一昨日も書きましたが、「放射能の経過時間を表す式」は以下の式として表すこともできます。
ここで、壊変定数λは一昨日も計算しましたとおり、
より、
と表せます。
よって、
これを計算しましょう。
ここで、以下の公式を利用して、
よって、
ここで、eln(1/2)がなぜ1/2になるかというと対数を取ると分かります。
とすると、両辺の自然対数を取ると
よって、
すなわち、
元々、xは
なので、
今日は少し難しかったかもしれませんが、過去の問題
平成18年度化学問4
平成19年度化学問11
平成24年度化学問1
平成30年度物理問8
平成30年度生物問23
を解く際に参考にしてみてください。