放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

2020年度第二種試験問題総評 生物編

2020年度第二種試験問題総評

【生物】

問1はDNAに関する問題です。DNAやRNA、タンパク質に関する問題は近年非常によく出題されるようになっています。過去問題を解きながら構造や用語など基本事項は押さえておきましょう。

問2は放射線被ばくと発がんに関する問題です。第二種試験では2018年の管理技術Ⅱ問29や2012年の管理技術Ⅱ問28で同様の問題が出題されています。

問3は晩発障害に関する問題です。確率的影響に属するがんや遺伝的影響は晩発障害になります。代表的な晩発障害は覚えておくことが大切です。確率的影響、確定的影響、急性障害などと合わせて学習しておきましょう。

問4はしきい線量に関する問題です。不妊や皮膚の症状などは頻繁に出題されていますのでしきい線量も暗記しておきましょう。

問5は自然放射線に関する問題です。自然放射線に関してはできるだけ最新のデータを確認しておくようにしましょう。セシウムに関しては134Cs、137Csが重要です。2021年度の化学の文章問題でも出題されています。

問6はDNAの修復に関する問題です。DNA2本鎖切断の修復方法である相同組換えや非相同末端結合の特徴はしっかりと覚えてきましょう。細胞周期と修復の関係も非常に出題頻度の高い重要分野です。

問7は末梢血球の変化に関する問題です。末梢血球の問題は毎年のように出題されています。種類や特徴、そして照射後の時間と血球数の変化を表す図は重要です。概略図を自分で描けるようにしておくと役に立ちます。

問8は細胞の放射線感受性と細胞周期に関する問題です。細胞周期と感受性の関係や細胞周期と修復の関係などをしっかりと理解し、細胞周期と細胞生存率を表した図は自分で描けるようにしておきましょう。

問9は胎内被ばくに関する問題です。胎内被ばくの問題も毎年のように出題される分野です。着床前期、器官形成期、胎児期に関して発現する特徴、しきい線量はしっかりと覚えておきましょう。

問10はRBEに関する問題です。RBEの定義はしっかりと覚えておきましょう。また、LETとの関係を表す図は自分で書けるようにしておくとよいでしょう。合わせてOERについても定義、図を勉強しておきましょう。

問11

消化管に関する文章問題です。

Ⅰは腸の構造や機能に関する出題で少し難しい問題だったように思います。ただ、問題文中の幹細胞、クリプト細胞などの用語は腸管死に関する問題ではよく出てきます。放射線概論にも記載されていますのでしっかり理解しておきましょう。

Ⅱは高線量被ばく時の影響についての問題ですが、消化管の放射線感受性の順番は重要ですので必ず覚えておきましょう。また、骨髄死、腸管死、中枢神経死の線量や生存期間も出題頻度の高い重要分野です。放射線概論でしっかりと学習しておきましょう。組織加重係数に関してはICRP2007年勧告の数値は全ての組織・臓器について暗記しておきたいですね。