放射線取扱主任者試験に合格しよう!

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標準偏差に関する問題

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

今日は統計に関する演習問題を一緒に考えてみましょう。

統計の問題は苦手意識を持っている人も多いかと思いますが、放射線取扱主任者試験で出題される統計の問題は公式をしっかり暗記しておけば解ける問題ばかりです。

基本をしっかり勉強し、公式を確実に暗記しましょう。

 


ある放射線源からの放射線を1秒間ずつ400回計測したところ、平均値として400カウントを得た。この場合、計測値が440カウントを超えた計測回数として、最も近い値は次のうちどれか。ただし、400回の計測中の放射能の減衰は無視できるものとする。

A 5  B 10  C 20  D 32  E 64


 

まず、本問題では1秒間に400回放射線を計測しているので、N=400とすると十分Nが大きいため、その分布は正規分布に従うと考えてよいでしょう。

正規分布における標準偏差σはその平均値をmとすると、

 f:id:radioisotope_f:20200725112344g:plain (この式は必ず暗記しておきましょう)

と表すことができます。

 

標準偏差とはデータの散らばり具合(ばらつき)を表す指標と考えることができますので、標準偏差が大きいほどデータは散らばった裾が長い正規分布の形となります。

 

また、正規分布において平均から標準偏差分(1×σ)だけずれた位置、すなわち、

 f:id:radioisotope_f:20200725113346g:plain

 の区間にデータが入る割合は約68%となります。

 また、平均から標準偏差の2倍分(2×σ)だけずれた位置、すなわち、

 f:id:radioisotope_f:20200725113602g:plain

区間にデータが入る割合は約95%となります。

そして、平均から標準偏差の3倍分(3×σ)だけずれた位置、すなわち、

 f:id:radioisotope_f:20200725113708g:plain

区間にデータが入る割合は約99.7%となります。

図で表すと以下のようになります。

f:id:radioisotope_f:20200725113752p:plain

1σ(68%)、2σ(95%)、3σ(99.7%)の値は覚えておきましょう。

 

本問題では、N=400でその分布が正規分布に従うとすると、標準偏差σは平均値である400カウントから

 f:id:radioisotope_f:20200725114203g:plain

となります。

 

ここで、1σ、2σ、3σを考えてみると、σ=20から

 f:id:radioisotope_f:20200725114549g:plain 

   すなわち、380<<420に入る割合が68%

 f:id:radioisotope_f:20200725114656g:plain

           すなわち、360<<440に入る割合が95%

 f:id:radioisotope_f:20200725114723g:plain

   すなわち、340<<460に入る割合が99.7%         

 

本問題では計測値が440カウントを超えた計測回数が問われていますが、440カウントとは標準偏差20の2倍、すなわち2σを超えた計測回数のことであり、以下の図の赤色の部分に該当します。

f:id:radioisotope_f:20200725124142p:plain

 

m-2σ<<m+2σの区間に入る割合が95%ですので、残りの <m-2σ 及び、m+2σ< の区間に入る割合は100-95=5%となり、そのうちの m+2σ< の区間に入る割合は5%の半分の2.5%となることが分かります。

よって、400回の計測中のうち 440カウント(m+2σ)を超える区間に入る割合は2.5%であるので、その回数は、

 f:id:radioisotope_f:20200725124750g:plain

となります。

よって、正答はBとなります。

本日の演習問題と同様の問題が、2010年度第一種試験物理問25に同様の問題が出題されています。是非自分で解いてみて下さい。