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自発核分裂に関する問題

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

今日も半減期に関する演習問題を一緒に解いてみましょう。

今日の問題の核種はカリフォルニウム(252Cf)です。

 

では、本日の問題です。


252Cfはα壊変と自発核分裂で壊変する。その全半減期は2.64年で、α壊変の部分半減期は2.72年である。1gの252Cfの毎秒の自発核分裂数[s-1]に最も近い値はどれか。アボガドロ定数を6.0×1023mol-1、ln2=0.69とする。

A 5×1010  B 1×1011  C 5×1011  D 1×1012  E 5×1012


 

252Cfの壊変、半減期、おおまかなエネルギーは覚えておきましょう。

252Cfは中性子発生源としても重要です。放射線利用機器として水分計を覚えておきましょう。
半減期2.645年
・α壊変96.9% 自発核分裂(SF)3.1% 

・1個のSFによりおよそ3.8個の中性子を出す
・平均エネルギーは2~3MeV
中性子水分計、中性子ラジオグラフィ線源など

 

252Cfのように分岐壊変する核種では、その分岐壊変する割合をX%とすると、その部分半減期Txは全半減期Tを用いて、
 
f:id:radioisotope_f:20191111125240g:plain
と表すことができます。これは公式として暗記しておきましょう。
 
では、問題を解いていきましょう。
252Cfの全半減期(T)は2.64年、α壊変の部分半減期Tx)は2.72年と問題にありますので、α壊変する割合をX[%]とすると、上述の公式から、
 
 f:id:radioisotope_f:20200712112912g:plain

これを解くと、

 f:id:radioisotope_f:20200712113032g:plain 

 よって、

 f:id:radioisotope_f:20200712113230g:plain

 となることが分かります。

252Cfのα壊変が97.1%と分かりましたので、自発核分裂は残りの2.9%となります。

よって、1gの252Cfの2.9%である0.029gが自発核分裂することになります。

252Cfの毎秒の自発核分裂数は放射能の公式を用いて、

放射能を求める公式

 f:id:radioisotope_f:20200123112816g:plain

 A:放射能[Bq] T:半減期[s] w:放射性物質の質量[g] 

 M:放射性物質の質量数  NA=アボガドロ数(6.02×1023

 

 f:id:radioisotope_f:20200712121327g:plain

 

となります。

よって、選択肢の中で最も近いのはCの5×1011になるので正答はCになります。

 

自発核分裂半減期を求めて計算することもできます。

自発核分裂の割合は2.9%ですので、その半減期は、

 f:id:radioisotope_f:20200712121025g:plain

となりますので、

 f:id:radioisotope_f:20200712121315g:plain

 

この場合は2.9%という自発核分裂の割合は半減期91年に含まれていますので、252Cfの質量は1gをそのまま用いることに気を付けて下さい。

 

部分半減期や自発核分裂に関する問題は放射線取扱主任者試験では非常によく出題されています。部分半減期に関しては40Kや252Cfが、自発核分裂に関しては252Cfが最もよく出題されています。

いずれも過去問題を解いておけば対応できますのでしっかり勉強しておいて下さい。