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壊変の基本事項

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

前回は、90Srがβ-壊変して90Yに、さらに90Yがβ-壊変して90Zrなる核反応に関して演習問題を一緒に考えました。核反応で表すと以下のようになります。

  f:id:radioisotope_f:20200613151814p:plain

この核反応式と90Sr-90Yの永続平衡はしっかりと頭に入れておきましょう。

 

今日は放射線取扱主任者試験で出題される壊変について重要事項を簡単にまとめてみましたので、最低これだけは確実に暗記しておきましょう。

α壊変
 α粒子であるヘリウムの原子核を放出する壊変

 原子番号は2減少し、質量数は4減少する
 α粒子は量子力学のトンネル効果によりクーロン障壁を通り抜けて放出される

β-壊変
 原子核内の中性子が陽子に壊変

 電子(β-)と反ニュートリノを放出する  
 原子番号は1増加し、質量数は変化しない

β+壊変
 原子核内の陽子が中性子に壊変

 陽電子(β+)とニュートリノ(ν)を放出する
 原子番号は1減少し、質量数は変化しない
 原子核中の陽子数が中性子数より多いとき起こりやすい
 PET製剤の11C、13N、15O、18Fなどが代表的(PET製剤は半減期も重要)

軌道電子捕獲(EC)
 原子核の陽子が軌道電子と結合して中性子となる

 ニュートリノを放出する

 原子番号は1減少し、質量数は変化しない 
 β+壊変との競合過程

 特性X線またはオージェ電子の放出が起こる