放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

反跳エネルギー

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
昨日から5月に入り、GWの最中の人も多いかと思いますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
コロナウィルスの影響で8月に予定されていた放射線取扱主任者試験が12月以降に延期されましたので、このGWは心身の休養やリフレッシュに費やして下さい。

 サービス業など、例年のGWなら仕事という人も今年のGWは休業などで自宅で過ごしている人も多くなっていることと思います。
明日4日にはコロナウィルス感染拡大防止のための自粛要請の今後の延長の有無が政府から発表されるかと思います。多くの人がGWは6日くらいまでかと思いますが、自粛要請の延長になれば、その後も在宅勤務や休業など自宅で過ごす時間が長くなるかと思います。

 

「コロナウィルス感染拡大防止のための自粛要請」も「放射線取扱主任者試験の延期」も前向きに捉えることで、皆さんが自宅でやれることはたくさんあるはずです。

この時間を大切に過ごして下さい。

 

さて、少し前のランタノイド元素の記事でサマリウム(Sm)に関する過去問題を掲載しました。以下の問題です。

2018年第一種試験物化生問1Ⅰ

質量数147の原子核がα壊変してエネルギー2.3MeVのα粒子を放出した。このとき、娘核である反跳核の運動エネルギーは(ア)MeVである。一方、質量数210の原子核がα壊変するときの壊変エネルギーが5.4MeVであれば、放出されるα粒子のエネルギーは(イ)MeVである。

 

放射線取扱主任者試験では、α壊変時の生成核種(娘核種)の運動(反跳)エネルギーや放出α粒子の運動エネルギーを求める問題がよく出題されています。上述した問題では、前半部分の(ア)が前者に該当し、後半部分の(イ)が後者に該当します。

参考までに後半部分の質量数210の原子核とはポロニウム(210Po)のことです。

210Poに関しては、α壊変時の生成核種(206Pb)の反跳エネルギーを求める問題も2013年度第一種試験化学問27で出題されています。

2013年度第一種試験化学問27

210Poは5.304MeVのα線を放出し、安定な206Pbになる。α線による206Pbの反跳エネルギー[keV]に最も近いものはどれか。

 

2016年度の第一種試験の物化生問1Ⅰでは、ラジウム(226Ra)がα壊変する際に放出されるα粒子の運動エネルギーを求める問題が出題されています。

 イメージ 1

 

α壊変時の生成核種(娘核種)の運動(反跳)エネルギー、また放出α粒子の運動エネルギーの求め方に関しては本ブログのα線放出に伴う反跳エネルギーの記事に記載していますのでご覧下さい。

 

反跳エネルギーに関しては、放射性核種が電磁波である光子を放出した後、原子核が受ける反跳エネルギーを求める問題も出題されることがあります。2019年度第一種試験の物理問32でも出題されています。

2019年度第一種試験物理問32

(4)粒子bは電磁波の性質を示し、その振動数をν、プランク定数をh、光速度をc、原子核の質量をMとすると、その運動量は(エ) 、エネルギーは(オ) である。一方、粒子放出後の原子核の運動エネルギーは(カ) であり、これを(I)という。

2018年度の物化生では60Coがβ-壊変して1.333MeVのγ線を放出する際の反跳エネルギーを求める問題が出題されています。

2018年第一種試験物化生問1Ⅰ

質量数60の原子核が1,333MeVのγ線を放出するとき、原子核が受ける反跳の運動エネルギーは(ウ)keVである。

 

光子を放出した後の原子核の反跳エネルギーを求めるには重要な公式があります。放射線概論ではホットアトムの章に載っています。必ず暗記しておきましょう。
ホットアトムの反跳エネルギーE[eV]
  イメージ 1 (この式は暗記しましょう)
 M:反跳原子の質量数 Eγ:放出された光子エネルギー[MeV]

 

本ブログでもホットアトムの反跳エネルギーの記事に掲載していますのでご覧下さい。