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壊変定数について

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

数日にわたって化学の課目に関する記事を紹介しています。

先日の「原子数の求め方」の記事の最後に「壊変定数」について少し触れました。

今日は壊変定数について覚えましょう。壊変定数は物理の試験でも出題されますのでしっかりと覚えておく必要があります。

 

壊変定数は放射能を求める公式にも出てきます。定義をしっかり覚え、壊変定数を表す式も暗記しておきましょう。

 放射能を求める公式は以下の式になります。重要公式です。

 イメージ 2 (この式は暗記しましょう)

この公式で
 
 f:id:radioisotope_f:20200412110145g:plain
 
の部分が壊変定数となります。(0.693は2の自然対数 ln2 のことを表しています)
壊変定数は一般的にλで表されるので、

 
f:id:radioisotope_f:20200412110350g:plain  この式は暗記しましょう
 
となります。
壊変定数は放射性核種が単位時間に壊変する確率を表しています。単位時間当たりの壊変数は元の原子核の数に比例し、この時の比例定数を壊変定数といいます。
式で表すと、
 
 イメージ 1この式は暗記しましょう
 
この式は微分方程式で、この微分方程式を解くと壊変定数を求めることができます。
この微分方程式の解き方は今日は省略しますが、解き方を知りたい方は以下の記事をご覧下さい。
 
壊変定数に関する例題を掲載します。

問 
半減期 T、壊変定数 λ の放射性核種において時間 t 後に残っている個数の初期の個数に対する割合を表す関数として正しいものの組み合わせは次のうちどれか。

 f:id:radioisotope_f:20200412104940g:plain


 
放射性核種の初期の個数をN0とすると、時間 t が経過したのちの放射性核種の個数は壊変定数をλとすると以下の式で表されます。この式も重要公式です。
 
  (N0は最初の原子数)(この式は暗記しましょう
 
この式も上述した微分方程式を解くことで導くことができます。導き方は壊変定数の問題に記述していますのでご覧下さい。
この式の両辺を初期の個数をN0で除すと、
 

 f:id:radioisotope_f:20200412110732g:plain

 
となるので、時間 t 後に残っている個数の初期の個数に対する割合 N/N0 は、e-λt となるので(A)は正解になります。
 
また、壊変定数として
 

 f:id:radioisotope_f:20200412110501g:plain

 
を用いると、e-λt は以下のように書き換えられます。
 

 f:id:radioisotope_f:20200412111505g:plain

 
ここで、
 
 f:id:radioisotope_f:20200412111750g:plain  (両辺の自然対数を取ると、両者が等しいことが分かります)
 
であるので、
 
 f:id:radioisotope_f:20200412112056g:plain
 
と書き換えることができます。
t に半減期 T を代入すると半減期時間経過した後の個数 N が初期の個数 N0 の半分(1/2)になっていることが分かります。
時間 t 後に残っている個数の初期の個数に対する割合 N/N0 は、f:id:radioisotope_f:20200412112302g:plainとも書けるので、(C)も正解になります。
よって、正答は(A)と(C)となります。
 
壊変定数は放射平衡の問題でも非常によく出題される分野ですのでしっかりと勉強しておきましょう。
今日の記事で出てきた以下の式は確実に暗記しておきましょう。
 
 イメージ 2
 f:id:radioisotope_f:20200412110350g:plain
 イメージ 1
 
 f:id:radioisotope_f:20200412112746g:plain
 f:id:radioisotope_f:20200412111750g:plain
 
指数や対数に関する基礎知識もしっかりと勉強しておくことが大切です。