放射線取扱主任者試験に合格しよう!

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放射線、放射能、ベクレル、シーベルトなど

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

これから放射線について勉強したいと思っている人は、まずはじめに用語について簡単に意味を知っておくとよいかと思います。

 

放射線放射能放射性物質の意味は、簡単には

 放射線放射性物質から放出される粒子や電磁波

 放射能放射線を放出することができる能力

 放射性物質放射線を放出する能力を有する物質(放射能をもつ物質)

電球や懐中電灯などに例えて分かりやすく説明しているホームページもありますので、これから放射線の勉強を始めたいと考えている人は是非それらのホームページを見てみるとよいかと思います。

身近な放射線としては電磁波のひとつであるエックス線があります。健康診断ではお世話になります。また、ガンマ線という言葉も聞いたことがあるかもしれません。

粒子ではアルファ線ベータ線などの言葉を聞いたことがあるかもしれません。

これらのエックス線やガンマ線アルファ線ベータ線を放出できる能力を放射能といいます。

 

また、放射線を勉強し始めるといくつかの単位を目にします。ベクレル[Bq]やシーベルト[Sv]、またグレイ[Gy]などといったものです。

それぞれの意味は、

 ベクレル[Bq]:放射能を表す単位で放射性物質が1秒間に崩壊する原子の個数

 シーベルト[Sv]:人が受ける被ばく線量の単位

 グレイ[Gy]:物質にどれだけの放射線のエネルギーが吸収されたかを示す単位

 

崩壊(壊変)とは、不安定な原子核をもつ物質が安定な原子核をもつ物質に変わることをいい、1秒間に1つの原子核が崩壊(壊変)することを1ベクレル[Bq]と定義しています。

 

以前は放射能を表す単位としてはキュリー[Ci]が使用されていましたが、現在ではベクレル[Bq]が用いられます。1キュリー[Ci]とはラジウム226Ra1gが示す放射能をあらわしており、これをベクレル[Bq]に換算すると1[Ci]=3.7×1010[Bq]となります。すなわち、ラジウム226Ra1gが示す放射能は3.7×1010[Bq]となります。

この「226Ra1gが示す放射能は3.7×1010[Bq]である」は暗記しておくとよいでしょう。ミナテンテンと覚えましょう。暗記しておくと放射線取扱主任者試験で役に立ちます。

キュリー[Ci]という単位は皆さんご存知のキュリー夫妻(ピエール・キュリー、マリ・キュリー)にちなんでいます。

 

シーベルト[Sv]は、その値が大きいほど人体が受ける放射線の影響が大きくなることを意味しています。新聞などではこのシーベルト[Sv]の単位を見ることが多いかと思います。

 

放射線取扱主任者試験でも、当然のようにこれらの用語や単位は問題文中に出てきます。例えば、今年度2019年度の物理や化学、生物の問題からいくつか拾ってみると、

【物理】

 問6B 226Raの放射能が37MBqである場合、その質量は約1μgである。

 問11C 252Cfの放射性壊変の大半はα壊変であり…

 問31 …前者は電気的に中性な放射線にのみ使用されるのに対し、後者は全ての    放射線に対し適用される。単位はJ・kg-1であるが、特別な単位としてGy

    を用いることも多い。

【化学】

 問1 放射能が等しい60Co(半減期5.27年)と57Co(半減期272日)が存在する…

 問3 …745.5gの塩化カリウム(式量74.55)の放射能[Bq]として

 問4 次のうち、放射能が等しいものの組合せはどれか。

 問6 …親核種の放射能は娘核種の放射能より常に大きい。

     …娘核種の放射能は親核種の半減期で減衰する。

 問7 その放射能が100Bqだったとき、Xの放射能(A1)とYの放射能(A2)の…

【生物】

 問3 3Gy被ばく2時間後までに…

     5Gy被ばく2時間後までに…

 問9 …当たりの医療診断による被ばくの実効線量は、平均で約4mSvである。

     …被ばくの実効線量は、1検査当たり約10mSvである。

 問10B 預託実効線量の単位はシーベルトである。

 

実務の試験問題でももちろん出題されていますので、これらの基本用語や単位の意味は覚えておきましょう。